[海外]パレスチナ/イスラエル内アラブ人がゼネスト呼びかけ
──9月9日 「占領マガジン」より
暴力・民族歴史教育の禁止…アラブ人への差別政策に抗議
右派ネタニヤフ政権下の厳しい弾圧と締め付けのため、イスラエル内の130万人アラブ系国民の指導層は、数年ぶりにゼネストを呼びかけた。ゼネストの予定は10月1日。この日は、2000年に第2次インティファーダが開始された日で、それを支持するアラブ系国民のデモに警官隊が発砲、13人が殺害された記念日にあたる。
アラブ人指導層は、ゼネストを、「人口の5分の1を占めるアラブ系を国家の敵として棄民する人種差別的政策への抗議である」と説明している。「最近議会でも人種差別的法律が提出されたり、警官やユダヤ系市民によるアラブ系への暴力行為を法廷が大目に見る傾向が強まっている」と、アラブ人権グループ=モッサワの代表ジャファル・ファラハは言う。
アラブ系とネタニヤフ連合政権の対立は、政権側が一連の問題が多い立法措置を行なおうとしたことで、すぐに表面化した。提案された法案は、1948年のパレスチナのナクバ(大破局)を追悼・記念する行為を違法としたり、全国民にシオニスト国家=イスラエルに忠誠を誓うことを義務づけたり、イスラエルをユダヤ人国家であることを否定する政治的要求を禁じる内容であった。しかしさすがに、これらの法案は、広範な抗議の声で、内容を緩やかにしたり、廃案になった。
しかし、先月末ギデオン・サール教育相が新たな提案をしたことから、再び対立の炎が燃え始めた。それは、アラビア語教科書から「ナクバ」を削除し、ユダヤ文化遺産とシオニズムの授業を義務づけるものだった。その上、卒業生の軍役率に応じて学校配分予算を決める、という内容。首相もこの案に賛成の模様。アラブ系は一般に軍役免除(排除)であるが、最近は、その代替措置として、何らかの国家貢献業務を義務づけることが検討されている。
アラブ人国会議員モハメッド・バラケは、教育予算と軍務とのリンケージを批判、サールに「国防相ではなく、教育相であることを忘れるな」と釘をさした。