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▲店頭入口は狭いが、奥に長い京都風
更新日:2009/10/27(火)

[反貧困]─野宿仲間の仕事づくり─リサイクル館みやび

地域に溶け込もうと努力

「仲間の仕事づくり」が本来の目的だと岸本さん(仮名)は言った。

9月中旬、京都の東九条にあるリサイクル館みやびを訪ね、自らも野宿生活をしながら働く岸本さんにお話を伺った。十畳くらいのウナギの寝床のような店内に中古の家電製品や食器、衣類などが所狭しと並べられている。みやびは、リサイクル物品を販売するだけではなく、買ってくれた物を運んだりして東九条の地域に溶け込んでいこうと努力している。取材に訪れたときも、近所のおばあちゃんが「こないだは良うしてもろて」と、買った品物のお礼を言いに来ていた。(唐崎)

リサイクル館の出発

リサイクル館みやびがオープンしたのは今年1月。

だが2007年から引越や行政の委託で「ゴミ屋敷の掃除」などの片づけの仕事は始まった。その際に出た不要品で使える家電製品などをきれいに掃除してリサイクル品として販売する。しかし倉庫が無く、とりあえず自分たちが住んでいる橋の下に保管した。河川敷を管轄する京都府土木事務所に不法占拠だと言われて、警察を呼ばれそうになった。

支援団体のバックアップもあって、2009年に現住所に倉庫と事務所を構えることができた。

リサイクル館みやびを立ち上げた当初、地元紙に取り上げられた。宣伝になるからと思いOKを出したのだが、「ゴミの処理をやってくれる」と誤解され、不要品が送られて来た。服ならせめて洗ってから送ってほしい、と岸本さんは苦笑していた。この反省から、今は教会や行政に「営業」している。丁寧に趣旨を説明し、趣旨に納得して条件で折り合いのついたところで引っ越しや片づけの仕事を請け負う。販売対象も野宿から居宅生活に移る人などで、「仲間の門出に安く家電をそろえたい」というのが岸本さんの理想だ。野宿をしていた人を少しでも助けたいという気持ちの表れなのだと思う。

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