[政治]衆院総選挙 意見特集:排外主義まき散らす幸福実現党のソロバン勘定
幸福実現党とは?
候補者を乱立している幸福実現党がうるさい。当選可能性はゼロだが、やたらと目につき、頭にくる主張を繰り返している。
幸福実現党は言うまでもなく、カルト・幸福の科学を母体とする政治団体。事情を知る某職業右翼氏によれば、供託金も教団からの借り入れだという。幸福の科学は総裁である大川隆法氏が自らを「釈尊の再誕にして救世主」などとし、恒久ユートピアを建設するとして設立した。釈迦や日蓮の言葉を切り貼りした、荒唐無稽な教義を展開している。大川氏の著書やグッズ販売を業とし、「宗教の名を借りた営利出版企業」とも揶揄されている。
右派排外主義の主張
幸福実現党の主要政策は、@減税で株価2万円台、A北朝鮮の核ミサイルから日本を守るために憲法9条を改正し、防衛軍創設、B積極的移民策で人口3億人を実現し、GDP世界1、の3本柱だ。
大川氏は「保守の受け皿になる」と結党理由を説明したが、荒唐無稽な「政策」は逆に保守層からの反発を招いている。例えば「新・日本国憲法試案」では大統領制を掲げたが、これは天皇への冒涜だとして、「質問状」を送りつけて抗議した右翼団体もある。外国人労働者の積極的な受け入れによる人口3億人提案は、排外主義者を怒らせた。「北朝鮮にレンジャー部隊を送り込み、金総書記を拘束する」との東京10区の泉氏の演説には、タッグを組み横で微笑んでいた小池百合子氏も眉をひそめたという。
これまで幸福の科学は自民党・右翼議員を支援していた。安倍晋三(山口4区)、平沼赳夫(岡山3区)、中山恭子(参院比例)らゴリゴリの右翼・改憲派議員だ。
8月13日、幸福実現党は「保守票が割れて民主党政権が誕生するのを阻止するため」として、全選挙区での候補者擁立方針を見直す考えを明らかにしたが、そもそも「割れる」ほどの得票を得られるものか、あやしいものだ。むしろ党=教団としての底が割れるのを恐れているのだろう。