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更新日:2009/09/28(月)

[政治]衆院総選挙 意見特集:「政権交代」分権改革の視点から
──兵庫県議・稲村和美

分権とナショナルミニマム

全国知事会、橋下大阪府知事・中田元横浜市長ら首長連合などが争点化をねらって積極的に動いた分権改革。背景には、国の政策に振り回され負担を押し付けられてきた実績(?)と、地方交付税総額などを決定する地方財政計画の策定にすら、自治体が一切関与できないという現状がある。

民主党マニフェストには、国の出先機関である地方支分部局の原則廃止、ひもつき補助金の廃止と一括交付金化、国が道路の建設基準や保育所の認可基準を全国一律で詳細に決めている「義務付け・枠付け」の見直し、国直轄事業の地方負担金制度の廃止、国と地方の協議の法制化など、地方からの要求が具体的に盛り込まれた。霞が関との対決姿勢を鮮明に打ち出し、国の役割を大幅に限定して事務事業の多くを地方へ移譲するとしている。

ただし、義務付け・枠付けを含む国事業の見直しは、「何をどこまでナショナルミニマムとして保障すべきか」という大命題を含んでおり、議論の中身については予断を許さない。国の補助金要件が、地域事情を無視した立派すぎる道路や大規模なゴミ焼却炉整備を促進してきたといった点は大いに見直されるべきだが、一方で保育・介護・医療といったサービスの水準をいかに担保していくのか、地方政府の機能強化に対する相当な覚悟と、国民的議論が求められる。

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