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▲上:出港直前のFree Gaza and Spirit(6月29日)。下:昨年8月にはフリーガザの2隻の小型船「リバティ号」「フリー・ガザ号」がキプロスからガザの港に到着したのだが…
更新日:2009/07/23(木)

[海外] パレスチナ/ガザへの支援物資をイ海軍が妨害
──『フリーガザ・ジャパン』の呼びかけに代えて 阪口浩一

強制停船命令─全員逮捕

世界12ヵ国の支援者21名と医薬品や子どもたちへの玩具、オリーブの木など3トンの支援物資、そして20家族への復興建築資材を積載して、6月29日にギリシャ・キプロス島を出航したFree Gaza Movement(以下、フリーガザ運動)の船、Spirit of Humanity(人間の魂)号は、30日午後、ガザ海岸沖23マイル(=37q)の海域でイスラエル海軍に強制停船させられ、乗組員全員が拘束された上、船共々イスラエルに連行された。

7月3日現在、乗船者のうちバーレーン国籍の3人が強制退去命令を受けて釈放されたものの、残り18名の乗船者はイスラエル政府に拘束されたままだ。乗船者にはアイルランド人でノーベル平和賞を受賞したマイレッド・マクグワィヤーさんや、アメリカの元国会議員で大統領選の出馬経験もあるシンシア・マッキニーさんも含まれている。

「人間の魂号」は、キプロスを出航したガザへの航程を半ば過ぎた深夜すぎから複数のイスラエル海軍船に包囲された。同船の無線機器やGPS測定器はイスラエル海軍による国際航海法で禁止されている妨害電波によって使用不可能とされ、「航海を中止しなければ攻撃も辞さない」との脅迫と進路妨害を受け、速度を落とさざるを得ない状況で航海を続けていた。

昨年末から今年始めにかけてイスラエル政府により行われたガザ地区侵略と虐殺に関して、国連、赤十字国際委員会やアムネスティ・インターナショナル等の国際機関の報告書が発表されている。

そのいずれにおいても、ガザ侵略と攻撃が、「白リン弾使用に始まり、学校・モスクや国連施設への攻撃と民間人に対しての無差別殺戮であり、国際法に違反している」との結論を下している。また、撤退以降も現在に至るまで、生活必需品を始め、復興のための建築資材であるセメントなどがイスラエルの管理制限によって全くガザへ入ってはいないことも報告されている。

それに加えてイスラエル撤退直後に復興対策として大々的に報道されたアメリカや日本、EUを始めとする各国政府による40億ドルを超える復興支援も、イスラエル政府によりガザ搬入が許可されないばかりか、支援物資の保管先としてイスラエル企業の大手倉庫会社に対して、保管料名目で多大な金額が出費され続けている。

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