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▲ファタハとハマスの間の和解を訴えるパレスチナ人のデモ(今年4月)
更新日:2009/07/19(日)

[海外] パレスチナ/タイタニック船上で喧嘩
──5月16日 ウリ・アヴネリ

西岸・パレスチナ自治政府とガザ・ハマス政府間の不協和音

パレスチナの内部分裂は、パレスチナ人ばかりか、和平を求めるイスラエル人や世界にとっても大災難である。この原因の一部はイスラエルにある。パレスチナ人の民族解放闘争に対して、イスラエルは古代ローマの手法「分裂させて支配せよ」を使ってきた。その一つが、オスロー合意以降、西岸地区とガザ回廊を物理的に隔離することだった。

1993年9月のオスロー合意第4条には、「両者(イスラエルとパレスチナ)は西岸地区とガザ回廊は単一領土を構成するものと見なし、その領土保全をすること」とある。さらに、95年9月の暫定協定の付加条項1の10条には、「西岸地区とガザ回廊の間の人、車両、モノの移動に対して安全な通路があるべきで…イスラエルは日中または少なくとも1日に10時間の自由な交通を保障しなければならない」とある。

しかし実際には交通は遮断されたままだった。オスロー合意での不履行は数多いが、これが分裂支配に結びつく最大のものである。

通行に関する案だけは色々出された。エフード・バラク(元イスラエル首相・99年〜01年/現・労働党首)は、「西岸地区とガザの間に巨大な陸橋を架ける」というSFのような話を口にした。また地下トンネルや、領土外扱いのハイウェイ・鉄道の話もあった。みんな話だけで、実行されなかった。

皮肉なことに、オスロー合意以前には、占領地の人々も含め、誰もが自由に行き来できたのである。自由交通が禁止されたのは、オスロー後だった。口実は、例によって、「治安」である。「テロリストやロケット砲の往来を止めるため」というが、本当の狙いはパレスチナ人に残された僅かな領土をさらに2つの孤島に分離することだ。

地理的に一体性のない領土を統治することなどできない。パキスタンがよい例だ。パキスタンは真ん中をインドによって分断された2つの領土の国として発足したが、すぐに2つの領土の間で戦争が起き、東領はバングラデシュ人民共和国として独立した。

最新統計によれば、西岸地区には242万人、ガザ地区には146万人(及び東エルサレムに37万9000人)のパレスチナ人が住んでいる。昔アラファトから聞いた話では、パレスチナ自治政府の予算の半分以上が、パレスチナ領土の6%の面積にしかならないガザ回廊に回されていたという。ガザは貧しく、狭く、世界一人口密度が高いところである。

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