[政治] 公明党・冬柴哲三お膝元=尼崎市議選 衆院選に向けた「買収工作」
尼崎・大木哲二
「市議会候補を公明票で買収せよ!」
いま尼崎は市会議員選挙中(7日投開票)ですが、近く行われる衆院選に向けて市議選舞台裏でこんなことが噂されています。「市議会候補を公明票で買収せよ!」
今回、尼崎市議選では公明党候補者数が2人減っています。前回11人だったのが今回9人。
尼崎の事情をよく知っている人なら、これが異常なことに気づくはずです。というのも尼崎は街角のいたるところに公明党のポスターが張られているほど創価学会=公明党が強い地域で、実際に地元出身で国会に送り出した代議士といえばあの冬柴鉄三・元国土交通大臣です。
公明党は市会議員選挙でも毎回全員当選で、しかも全員上位当選。1位は93年からトップ当選を続けている市民派候補(現県会議員)ですが、毎回2位以下12位まで11人の公明党議員がずらりと詰まっています(※@)。
今回の選挙は前回同様激戦(※A)のうえ議員定数枠が一人減っている(45人→44人)ため当選ラインが少し高くなっていることもありますが、公明党の実力(※B)からすれば11人全員当選は確実なはずだからです。なのにどうして9人に減らすのか?変です。
当初、尼崎公明党は、「引退議員の後継を探している」とのことでしたが、結局、後継候補擁立を見送りました。これは衆院選に危機感をもった公明党が市議会選挙の舞台裏で衆院選のための買収工作をしているからだともっぱらの噂です。
先ほども言いましたが地元公明党の冬柴さんは衆議院議員。今度の国会解散後の衆院選に出なければいけません。
次の衆院選(兵庫8区)に立候補を表明しているのは共産、社民に公明の冬柴さんの3人に加え、民主、新党日本が噂されています。当選枠1人を4、5人で争うことになるのです。
前回(1995年衆院選)の冬柴さんは2位(民主)に2600票差(※C)で当選しましたが、今回は麻生政権の支持率低迷の影響に加え、民主が冬柴おろしのために協力関係にある田中康夫(新党日本代表)を「民主党」として立てるとか、テレビコメンテーターとして露出度の高いコラムニスト=勝谷誠(尼崎市立花出身)を立てるという噂もあります。また、冬柴国交相が枚方談合で逮捕の建設業者側から政治献金を受け取り、社長逮捕直後の今年6月、全額を返還していたというスキャンダルもあり、創価学会内部にも不満が溜まっているようです。
こうした中、マスコミ、評論家の下馬評では、「冬柴は苦戦、民主あるいは田中康夫が追い上げ当選可能圏内」。絶対に負けられない冬柴・公明陣営にとっては決して予断を許さない状況です。