[社会] 定額給付金/大阪市、ウソまでついて釜ヶ崎への支給を拒否?
はじめに
読者の皆さんは、もう定額給付金を手にされただろうか?大阪市でも5月15日から定額給付金の口座振込みが始まった。
給付金は住民登録を元に支給されるため、日雇い労働者・野宿生活者・DV(家庭内暴力)被害者・ネットカフェ難民など、住民票を置く場所がない人々が受給できなくなってしまう。
このため、国は住民票のない者に対して定額給付金に準ずるものの支払いを認める方針を出した(今年1月)。それにも関わらず大阪市は、何の動きもしていなかったことが、釜ヶ崎労働者らとの交渉で明らかになった。(編集部)
やっと支給の「検討」を開始
「大阪市は、やっと釜ヶ崎労働者への給付の検討を始めたところです。支給はもう始まってるのに」(定額給付金を考える釜ヶ崎有志の会・Kさん)
東京・大阪・名古屋等の都市部では、日雇い労働者・野宿生活者が集中する。しかしこうした給付金を最も必要としている人々への支給のために動く自治体は、ない。「自立支援センターに入るか、知人宅に下宿して住民登録すれば支給できる」と繰り返すのみだ。しかしこれで住民登録できる人は少ない。
そこで国は、「住民登録ができなくても、補正予算の地域活性化・生活対策臨時交付金から定額給付金と同額のものを充てる」(1月26日の参議院予算委員会での鳩山総務大臣の答弁)という方針を出した。
日雇い労働者の街・笹島(名古屋市)では、支援者施設への住民登録で給付金の受給が可能だ。しかし大阪市では「居住実態がない」と釜ヶ崎労働者・野宿生活者の住民票を消除(07年)し、それ以降、一切の対策を拒否している状態にある。
一方DV被害者に関しては、独自の対策で給付金を支給する自治体も出てきている。厚木市(神奈川)では、市内に住民票を置くDV被害者に加え、市外から厚木市に避難してきた被害者も対象にして、「定額給付金」「子育て応援特別手当」を支給をする。