更新日:2009/06/07(日)
[社会] 働く女性の「受け皿」としての介護施設
──遥矢当
介護スタッフをも支える保険制度を
「秋には孫が生まれるんです」─まだ40代だと言う女性スタッフ・Aさんは私にそう告げた。彼女はシングルマザーだ。2月から体調を崩して療養中だったが、療養が長びいていることと、今回孫が生まれるのを機に、退職したいと私に相談してきたのだ。
シングルマザーとして家庭を支えなければならない彼女は、1ヵ月で10回夜勤に入る条件で、「夜勤専門」として勤めてきた。彼女は、介護現場の中でも特に過酷な労働条件で、これまで5年間も耐えてきたのだった。
2月のある日、Aさんは急に勤務中激しい吐き気を催し、明け方になるとすぐに病院に行き、救急で診察を受けた。診断結果はストレスからくる不整脈。
長年のストレスを自覚しているという彼女は、「最近は、朝自分の家に帰っても、休んだ気になれないんですよね」と半ば納得しているような表情だった。私は「早めに報告に来て欲しかった」と伝えたが、彼女の返事は「スタッフの入れ替わりが激しく、夜勤ができる人がいなくなったから、私が支えなくてはいけなかった」というものだった。
そもそも介護はストレスが溜まる仕事だ。それに加えて夜勤は身体のサイクルを無視して働くわけだから、特に女性は体調を崩しやすい。
改めて私の職場のスタッフを見まわすと、そんな過酷さに耐えている女性スタッフが多いことに気づく。
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