[政治] 戸田ひさよし門真市議、権力弾圧で失職
公民権停止判決確定 検察主張を丸呑みする司法
戸田ひさよし門真市議(大阪府)が失職した。2年間の公民権停止判決が確定したためである。一審有罪判決後にトップ当選を果たした議員を、最高裁判所がその職を奪うという前代未聞の事態である。
まず、この弾圧事件をおさらいしておく。2005年、戸田市議は、関西生コンからの資金受け取りが政治資金規正法違反にあたるとして逮捕された。容疑内容は、次のようなものだ。
@全日本建設運輸連帯労組・関西生コン支部有志から90万円のカンパを受け取ったこと。A同労組近畿地方本部委員長の報酬として毎月20万円を3年分、計720万円を受け取ったうち、毎月10万円分、計360万円は政治献金として受け取っていた、の2点。
これが、「企業・団体から政治家への直接献金」に当たるという。収賄・恐喝といった類の犯罪ではなく、警察の解釈を認めたとしても軽い形式犯だ。この程度の容疑事実で、大阪地検は3ヶ月間接見禁止のまま拘留し、起訴した。
大阪地裁は、06年8月、罰金・追徴金計450万円、公民権停止2年の有罪判決。控訴審の大阪高裁は、公判1回のみで、07年4月に地裁判決を踏襲する判決を出し、最高裁は、「判決に違憲性はない」という門前払いで、これまた追認したのである。
微罪逮捕・無理矢理起訴は小沢問題と同じ
労組活動家を民主党や社民党の地方議員として送り込んでいる労働組合は全国にごまんとある。関生労組のように組合員からのカンパを労組がまとめて議員に渡すことも、当たり前のこととして行われ続けている。しかしこれが違法として逮捕・起訴された事例はない。つまり、戸田市議への狙い撃ちである。
第2の、組合役員としての報酬についてはどうか?検察側は「近畿地方本部委員長としての報酬は10万円で十分。残りの10万円は政治献金だ」と決め付けた。しかし、役員報酬は組合内部で決める問題だ。検察や裁判所が額まで決めるのは、僭越と言わねばならない。
会社員や会社経営者を兼務している議員は他にもたくさんいる。これらの議員も、それぞれが属している企業から献金を受け取っていることになるが、これまた戸田議員だけの狙い撃ちだ。検察は、法の下の平等・不偏不党の原則を逸脱し、政治的目的をもって戸田氏を逮捕した。
異常な逮捕は、関西生コン労組弾圧の一環ととして行われた。関生労組は、武委員長ら組合幹部・労組員が次々と逮捕・勾留されている。
2005年、大谷生コン事件、旭光コンクリート事件に始まる国策捜査・権力弾圧は、関西生コン支部の組織解体を目的として発動された。こうした弾圧は第6次まで続き、今も数名の労組員が逮捕されたままだ。
「強要未遂および威力業務妨害罪」が適応されているが、これこそが労働組合活動に対する国家権力の介入である。