人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事
更新日:2009/04/12(日)

[政治] 北朝鮮ロケット発射/提示される「偽りの現実」

安上がりで確実な安全保障!

危機を煽り、敵愾心を育てるには、国民を怯えさせることが最も効果的だ。そのためには、偽りの現実が提示される。

ブッシュはフセインを悪魔として描き、9・11の悲劇をくり返し想起させて、イラク侵略戦争へと駆り立てた。麻生・自民党は、北朝鮮を「好戦的無法国家」として描き、ミサイルと拉致の恐怖をくり返し想起させることで、「国民」をどこへ駆り立てようとしているのか?

それを考える前に、言われている「脅威」の実体を冷静に検証する必要がある。軍事力を見る限り「北朝鮮脅威」は偽りの現実であり、神話である。(編集部・山田)

MDS(ミサイル防衛整備)を中止し、同予算の3割を北朝鮮への賠償+経済協力に振り向けることだ

まず、通常軍事力の圧倒的な差がある。(表@)北朝鮮と米・日・韓は、軍事費比較で米国=5470億j、日本=436億j、韓国=226億jに対して、北朝鮮=50億j(日米韓は2008年。北朝鮮は04年、ストックホルム国際平和研究所データベース・英国国際戦略研究所による推計)。北朝鮮の軍事予算は、日本の12%、米国の0.9%、韓国の22%。これに装備性能の差も加味すれば、物理的戦争遂行能力の差は歴然としている。

さらに核弾頭の数を見てみる(表A)。

核軍事力についても、米軍核兵器が在日・在韓米軍基地に配備されており、北朝鮮の核弾頭は武器化できているかも不明だ。日本は独自の核爆弾はもっていない。しかし、日本には、材料である大量のプルトニウムが蓄積されており、6ヵ月あれば核兵器保有国になりうる技術ももつ(4面参照)。

これを運ぶミサイル技術についても、日本は、先日H2ロケット発射に成功したばかり、米国のミサイル制御技術については、イラク戦争で実証済みだ。

一方北朝鮮のミサイル技術は、イランのミサイルが北朝鮮の技術提供で製造されたと言われているが、米国・日本に比べると、精度・飛距離とも、どう贔屓目に見ても劣ると言わざるを得ない。ちなみに覇権主義的傾向を強める中国の軍事費が近年、増大傾向にあることも考えれば、北朝鮮は、軍事大国に囲まれた、軍事的にも経済的も「非力な国家」と言わざるを得ない。

軍事的「脅威」は、北朝鮮こそが感じているのであって、強大な米軍の傘下にある日本人が北朝鮮を「脅威」と感じなければならない実際的根拠は全くない。「北朝鮮脅威論」は神話である。

「好戦的無法国家」はどこか?

アメリカは、国際法に全く拘束されない、卓越した無法国家であり、自ら公然とそう言い放っている。アメリカは、国連憲章に対する重大な侵害であるにもかかわらず、イラクに侵攻した。この際ブッシュ政権は、軍事力行使について「独自の判断で行いうる」=国際法には拘束されないと言い放ち、行動した。

ニカラグアへの侵略行為は、国際司法裁判所で有罪判決を受け(1986年)、170億jの賠償命令が出た後も米国は、これを無視し、低強度戦争を継続した。この他にも、パナマ侵攻(1989年)、ソマリア侵攻(1993年)、リビア空爆(1986年)など米国の国際法違反行為は、限りなく、今も続いている。

また日本は、過去に侵略行為を行ったことは周知の事実、北朝鮮は被害国であり、賠償もされていない。北朝鮮と米国は、朝鮮戦争の休戦当事国であり、米国という無法国家との戦争状態が続いていることを考えても、北朝鮮が感じる「脅威」の方がよほど根拠と実体をもっている。提示されている「脅威」の現実は、全く逆立ちしたものだ。

続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
[HOME]>[ 反貧困 社会 政治 海外 情報 投書 コラム ]


人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.