[コラム] 五味正彦/続・地域おこしの応援団奮闘中!
10月15日号で、ある県の地域おこしに関わった と書いた。
昨年の時点ではまだ私の関わりが非公式のものだったので地域名を書かなかったが、今年から私も本格的に取り組むので、どの地域なのか明らかにする所から話を進めよう。 *
声をかけられ通い出したのは、福島県、東北への入口、白河市と隣りの泉崎村・矢吹町だ。最近は話題になる事が少なく、「白河周辺の地域おこしを…」と話しても、岐阜県の白川郷周辺と思われる方が多い。多くの人が福島と言われてイメージするのは会津、次いで郡山・喜多方・「フラガール」のせいか、いわき、くらいで、白河は残念ながらうかばないようだ。ということで、かえってやる気になってはいる。
私が付き合いだす以前から、前述3市町村にまたがる「里山再生プロジェクト」という地域活性化グループがあり、田んぼ復活・酒米づくりを軸に、100名以上が参加することもある、活発な活動・交流が進んでいる。これを土台に地域のワクを越え、首都圏の人にも参加してもらいたい(まずは来てほしい)。そして地域特産品を首都圏で売りたい、という希望などが出てきて、私に声がかかった訳だ。
半年間の予備的交流を経て、まず私が提案したのは、グループ名・地域名を決めること。 白河+泉崎+矢吹 じゃ長すぎるし、 白河周辺 では落ちつかない。新しいみんなの地域名でもいいし、希望あふれる詩のような名称でもいい。ともかくすっきりした名称ができれば、商品・グッズのブランド化にも役立つ。
例えば、○△□エゴマとか、○△□塗り箸とか。そう、エゴマはこの地域の特産品だし、箸は地元の塗料(エゴマ・ミツロウ・ウルシなど)と地元の木で手づくりしよう、と提案中なのだ。有名ではないが特産品はほかにもある。イモガラ(サトイモのツルを干したもの)・ムカゴ・ハトムギ・ソバ米(ソバの実を粉にしないで粒のまま主食にするもの)・干野菜等々。
いずれも、なつかしさを感じる。ひと昔前の、4〜50年前の 普通の食材だ 。私たちの日常の食生活を、輸入食材中心の食事から、ひと昔前の食に戻したいという願望も含め、あえてそれに役立つ食材をこの地域で捜して、いくつかあげてみた。まだまだいろいろ出てくるだろう。そしてこれらをまとめて、首都圏や全国の安全な食の宅配会社や自然食品店で扱ってもらうことを考えている。スーパーやコンビニチェーンのように買いたたかれない、まともな価格でだ。私はこのような考え方、流通のさせ方を 国内フェアトレード と呼んでいる。
そして会員や消費者に産地交流に来てもらう。こういうプランでこの地域の活性化の第一歩を踏み出したいと思っている。(有機本業 五味正彦)