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更新日:2009/03/08(日)

[情報] 「「農業は面白い」とはいえても、「やってみろ」とは言えない」
──綾部市(京都府)水田裕之さん(39)

着実な生き方に心地よさ

「やりがいのある仕事だけど、『やってみろ』とは生徒に言えない」―。こう語るのは、綾部市で有機農業を営む水田裕之さんだ。米一反、野菜二反、他にキウイフルーツなどの果樹園を営みながら、副業として農業高校の非常勤教師もこなすマルチな百姓だ。

百万遍(京都市左京区)の知恩寺境内で月に1回開かれる「手づくり市」で野菜販売を始めて4年。野菜に加えて、味噌やお菓子などの加工品が売れ始め、農業に関心を持つ若い人が店の前に立ち始めた。

高校教師から畜産農家へ

「都会生活に見切りをつけ、自然の中で再出発を期したいと思っている若い人たちが多い」という。水田さんたちのライフスタイルに、ようやく時代が追いついてきたのかもしれない。

京都市に生まれた水田さんの前職は、農業高校教師だ。高校生の頃から農業にあこがれていた水田さんは、浪人時代に古書店で手にした自然農や有機農業の雑誌や書籍を読み進めるうちに「町育ちでも農業ができるかもしれない」と希望を持つ。岩手大学農学部畜産科に入学し、卒業後は地元京都の農業高校の畜産科で教鞭を執った。

水田さんの新規就農は、「予定外のトラブル続きだった」という。就農したのは13年前のこと。当時、自治体支援窓口である京都府農業会議は、専業農家を目指す人を対象に家と土地を世話していた。やりたかった農業は、有機野菜と自然養鶏。ところが当時はまだ有機農業は、「変わり者」扱い。友人たちのアドバイスもあり、畜産科教師というキャリアを生かして畜産主体の営農計画を提出。そのうち有機農業へと転換すればいいと思っていた。

農業会議が勧めた農業研修生への助成制度も利用せず、いきなり12頭の母牛を買い取り就農。和牛の繁殖を始めた。畜産は専門領域。「何とかなるだろう」との見通しだった。

畜産の経営は悪くはなかったが、維持するための労力・時間はかなりのものだった。さらに、手間をかけた有機野菜も、出荷していた農協では有機・省農薬栽培が全く考慮されず、「形」だけで判断されて市場価格で取引された。細かい規格に縛られ、同じ畑で獲れたサツマイモを大きさ・キズの有無等々で40種類の箱に仕分けしなければならなかった。

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