更新日:2009/03/08(日)
[政治] 補正予算は、金持ちほど手厚く保護する緊急経済対策
派遣労働者への支援は御飾り
麻生内閣が示した補正予算では、1万2000円のばらまき給付金がやたらと議論の的になっているが、総額64兆円とされる「生活防衛のための緊急対策」(08年12月)全体から見るとこのための予算額2兆円は、米粒(3%)程度。これに比して銀行・企業への豪快な金の投入は、54兆円=84%にのぼる。
中身を見てみると、銀行への直接資金注入に12兆円、金融機関が抱える不良株券買い取りのためにさらに20兆円、中小企業の資金繰り対策で21兆円となっている。
じゃあ、我々貧乏人への支援は、どんな施策が用意されているのか?雇用対策・雇用創出合わせて2.1兆円、定額給付金、介護・子育て支援、学校耐震化、高速道路料金の大幅引き下げなどをぜーんぶまとめて6兆円、減税(住宅ローン減税、自動車税など)で1.1兆円。項目は、えらくたくさん並んでいるが、総額10兆円=15%程度だ。
こうしてみると補正予算による支援の優先順位ははっきりしている。マネーゲームに走って大損を抱える銀行は、真っ先に何としてでも助けなければならない。合計32兆円。大企業は、まだたっぷりと剰余金があるので銀行に資金を回しておけば大丈夫。
それでも米国・GM・クライスラーのように、危なくなれば、別枠で資金を投入すればいい。銀行と大企業、これさえ守れば、日本は安泰なのだ。
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