更新日:2009/03/08(日)
[情報] 『世界がキューバの高学力に注目するわけ』
「学ぶ楽しさ」「助け合う楽しさ」「誰かのためになる嬉しさ」を自分のものに
今、日本では高学歴であることが大きな価値をもたなくなった。大学進学率が49・3%(2006年・女子は50%)になった今、大学を出ても就職は保証されない。そのため大学院に行く人は、10人に1人となっている。大学に行けば「末は博士か大臣か」と言われた時代は、はるか昔のことになってしまった。
いい大学に入るために必死になって勉強して、大学に入ったのに、大学で自分の道が見つけられず、ひきこもりになったり、中退する若者がふえている。
勉強することが、出世、成功の確かな道だった時は、迷うことはなかった。小学校や中学校でトップクラスだった子が、広い地域から集まる高校、大学に入った時、自分よりできる子がいることにショックをうけ、勉強する意味を見失い、ひきこもりになる若者をたくさん見た。
「何のために、勉強するのか」というのは今の子どもにとって、大きな問題だろう。勉強ができなくても、スポーツや美術、音楽に才能を見つけられれば幸せだ。でも今の日本の学校教育では、受験戦争向きの子以外は大切にされにくい。
どんな地域でも、時代でも、少数の勉強好きな子はいる。それに対し、貧しい家庭の子の大半は、学ぶことの楽しさを知らないまま、人生を過ごす。一方勉強する意欲はあっても、家庭環境がそれを許さない子も多い。貧困が低学歴と深くつながっている。(評者=水野阿修羅)
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