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更新日:2009/01/17(土)

[コラム] 足立正生/ガザ虐殺はレバノン侵攻も視野に入れた大賭博

繰り返される住民虐殺

昨年12月27日、イスラエルは再び3度、パレスチナ・ガザ地区への本格的な軍事攻撃を空爆から開始した。元々ガザ地区は、「テロリスト集団・ハマスの武器密輸を阻止する」という口実で一切の交通路を遮断され、一昨年から18ヵ月間にわたって、燃料、飲食料、医薬品を含む生活必需物資の全てが底をついていた。

こうしたなか、12月に入ってハマス側が「停戦破棄」を宣言して国境地帯へのロケット弾攻撃を再開。イスラエル軍はいつも使う「テロリストから自国住民を守る」という口実でガザ地区北部を中心に空爆を開始したのである。

1週間のパレスチナ側の被害は、医療機関に運び込まれた確認できる範囲で死者数500、負傷者数2000に達し、社会基盤の破砕はハマス政権の全建造物から学校、病院、諸施設などにまで及ぶ。 イスラエル側の情報統制で、外国特派員は一切近づけず、情報はパレスチナ人による通信のみだ。それによると、猛攻撃の為に瓦礫から外へ1歩も出ることができず、正確に統計把握するのは困難な状態で、死傷者数を含む被害規模は発表されている3倍近くに達する見込みだと言う。

さらに、1月5日になると、イスラエルは遂に戦車隊を先頭に万余の陸軍も投入し、陸海空軍の攻撃は360の狭い地域に150万人が住む人口密集した都市部を包囲攻撃している。

国連難民救済機関は「人道の危機状態」を訴えるが、イスラエルの次期首相を狙っているリブニ外相は、「人道的な危機などない。何故なら人道支援は許可している」との虚言を繰り返し、6日になってツジツマ合わせに一部の物資の搬入を認めただけだ。遂に死者数は子供160人を含んだ600人を超え、負傷者は3000人に至った。

イスラエルは、これまでも一方的な周辺国への侵略攻撃を繰り返してきた。だが、何故ここまで、「攻撃の即時中止」を叫ぶ国際的な批判も無視してまで、徹底的な虐殺行為を拡大して止めないのか。それはまさに国家存立をかけた最後の大博打に走っているとしか言えない。

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