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主な著書に『21世紀労働論』、『はじめて学ぶジェンダー論』(正・続)、『これからのライフスタイル』、『「まだ結婚しないの?」に答える理論武装』など。
更新日:2008/12/31(水)

[反貧困] シングル単位社会民主主義とラディカルでアートな運動スタイルを
インタビュー:伊田広行さん(ユニオンぼちぼち/大学非常勤教員)

提言:これからの「反貧困運動」

2005年に大学教員の職を辞して、「週3日以上は働かない」という生活を選択した伊田広行さん。フリーターユニオン「ぼちぼち」のメンバーとして、相談活動や団体交渉を担う。

人間のこころの奥深い面や、他人とつながっていく面を大切にしながら、凛々しい個人として自立していこうという「スピリチュアル・シングル主義」を提唱する。研究者として労働問題・社会政策から女性労働・女性学全般へその関心領域を広げ、「シングル単位」の社会民主主義こそが、目指すべき現実的な社会システムだと主張する。伊田さんにフリーター運動への提言・「もうひとつの世界」への展望を語ってもらった。(文責・編集部)

「普通に」との保守的要求の危うさ

非正規労働運動を含む反貧困運動は、これまでそれぞれが個別課題に閉じこもり、つながりのなかった諸運動が、課題横断的に、また、運動内で対立すらしていた諸潮流も潮流横断的に繋がりつつあることが、積極的な側面です。また、キャラバン行動で全国化し、大都市だけでなく地域的な広がりも作りつつあります。

さらに「生存権」を掲げて各種社会保障政策の積極的利用とその不備を指摘してきた「もやい」の相談活動のように、労働と生活を結合させて社会構造全般に切り込む枠組みが作られつつあることも大いに評価できます。

しかし、問題点として指摘したいのは、@未だ古い運動の枠内での告発型の運動を越えられていないこと。さらには、A「非正規で食えない、結婚もできない、だから結婚できるような賃金をよこせ」という現秩序に乗るような要求の危うさです。大衆運動ですから、こうした要求を掲げることは必要ですし、理解できますが、今後運動が発展し、一定の成果物が獲得できたときに、「普通になりたい」という保守的な部分が運動から離脱し、分断されることになりかねません。

さらに、このままの運動では1〜2年もすればメディアが飽きて、運動が潰される可能性もあります。

反貧困運動で今最も必要なのは、ジェンダーの視点です。「ジェンダーと貧困」というスローガンを掲げて、ようやく女性たちも発言し始めました。しかし女性の貧困が語られるだけでは不十分です。ジェンダー平等論は、男性ジェンダーの貧困も問題にするという地平を切り開いているからです。

つまり、男性が外で働き、女性が家庭を守るという性分業の発想が続く限り、家族を養うための男性の長時間労働は、変わりません。女性の不安定低賃金労働と男性の長時間労働はセットの問題なのです。

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