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▲オスロ合意の調印(93年9月)で握手するパレスチナ解放機構(PLO)・アラファト議長とイスラエル・ラビン首相
更新日:2008/12/30(火)

[海外] パレスチナ/2民族国家の幻想捨て、占領終結の現実路線を
第1回エドワード・サイード追悼講演会 オックスフォード大学国際関係論教授 アヴィ・シュライム

二国解決案か一国解決案か

前々号に続き、「第1回エドワード・サイード追悼講演会」(9月18日、パレスチナ・センター主催)でのアヴィ・シュライム(オックスフォード大学国際関係論教授)の講演の抜粋・要約をお送りする。前回のアリ・アブニマハが一国案を主張しているのに対して、シュライムは二国案での解決を支持している。

イスラエルの暴力こそ和平実現への障害

私の立場は「二国解決案」支持で、1967年休戦ライン内のイスラエル国の正当性を認めている。私が反対するのは、グリーンラインを超えたシオニストの野望だ。

パレスチナに民主的方法で民族国家を作る案に反対するのは、イデオロギー的なものでなく、実際的見地からである。

その発想は魅力的だが、絵に画いた餅に過ぎない。理由は幾つかある。

その一つは両社会の間の溝が深いことだ。イスラエル人とパレスチナ人がそれぞれに持つ民族の物語や、対外的友好関係や将来の抱負には、随分と隔たりがあり、言語・宗教・文化・教育等々も異なっている。

第2に、一国解決案にはパレスチナ側で小さい草の根的支持があるが、イスラエル側では皆無であることだ。むしろ政治的立場の如何にかかわらず、圧倒的に反対が多い。「2民族国家」は、ユダヤ国家の解体につながる、と解釈されている。リベラルのアモス・オズ(イスラエル人作家・ジャーナリスト)はイスラエル・パレスチナ関係を、「夫婦の離婚」に例え、パレスチナ人がさっさと出て行って、早く自分の家を持ち、すっかり縁が切れることを望んでいる。これはイスラエル人一般の典型的な考え方で、パレスチナ人とは同じ家で仲良く暮らす気はなく、完全絶縁を望んでいる。

第3に、冷戦後に世界でエスニック民族主義が復活していることだ。ソ連解体後の有様や、前ユーゴスラビアの6国家への分裂がよい例だ。いたるところで民族主義的分離運動がある。イラクでクルド族・スンニ派・シーア派の平和共存ができないのに、パレスチナでイスラエル人とパレスチナ人がそれをできるはずがない。

2民族国家は理想としては素晴らしい。この問題に関する有効な思考の枠組みにもなるし、現実的にイスラエルに占領終結を迫る圧力としても機能する。しかし、その実現は不可能で、危険な幻想である。私が二国案を支持するのは、歴史的理解に条件付けられてのことである。

そもそもこの紛争は、基本的に2つの民族運動の衝突である。1つの土地の上で、2民族がそれぞれ独立運動をやってきた。結局、唯一妥当で実際的な解決は、その土地の分割しかない。

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