更新日:2008/11/04(火)
[反貧困] ヤンマー、直接雇用後も続く雇用不安
正社員化求め 新たな闘争へ
機械大手のヤンマー(株)びわ工場(滋賀県長浜市)では、派遣から直接雇用(有期)に切り替えた後も続く雇用不安に対し、正社員化を求める闘いが続いている。同工場で2年半あまり派遣社員として働いてきた佐々木真一郎さん(52才)もその一人だ。
佐々木さんは、昨年2月、派遣パートユニオン・関西に加盟し、派遣会社に団体交渉を申し入れた。さらに今年6月23日には、滋賀労働局に労働者派遣法(会社は、一定年数以上継続した派遣労働者に直接雇用を申し出る義務がある)違反に基づくヤンマーへの直接雇用申告を行った。6月30日の団体交渉でヤンマーは、「滋賀労働局の指導に従う」として直接雇用を約束。雇用の安定化に向け一歩前進したかに見えた。
しかし、直接雇用とはいうものの身分は「期間従業員」。5ヵ月の雇用後、6ヵ月の契約更新を経て、最長2年11ヵ月には首切りというものだった。
「法の網の目をくぐろうとしている」―佐々木さんたちは、すぐさまこれを批判。正社員化を要求した。キャノン・松下(現パナソニック)などでも偽装請負・派遣法違反が摘発されたが、いずれも「期間雇用」という手法での脱法行為が蔓延していたからだ。
「イヤなら他所に行け!それが派遣の特権でしょう」
ヤンマーびわ工場(従業員数753名)には、ヤンマービジネスサービス(ヤンマー子会社)をはじめ数社の地元の派遣会社から派遣労働者約332名が送り込まれていた。佐々木さんは、06年2月、ヤンマービジネスサービスに派遣登録し、びわ工場の製造ラインで勤務。作業指示は、ヤンマー社員の職長が行っていた。
ところが繁忙期になると、本人の意思にかかわらず残業・休日出勤のシフトに組み入れられた。
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