更新日:2008/11/04(火)
[反貧困] 雇用責任回避し非正規雇用永続化狙う大企業
いつまでも使い捨ては許さない
日本中で「反貧困」の声を上げた「反貧困キャラバン2008」も大詰めとなった10月15日、反貧困キャラバン・大阪と連携して、在阪のユニオンを中心に「違法派遣・偽装請負反対!まともな直接雇用を求める 10・15大阪総行動」が取り組まれた。
いま、派遣労働者をめぐる労働運動の重要な課題となっているのが、「2009年問題」だ。09年、いっせいに大企業で働く労働者も含めた派遣労働者の首切りが迫っている。「大阪総行動」でもこの「09年問題」と絡んで争議に取り組んでいる労働組合が主導し、抗議行動や街頭情宣が取り組まれた。
「09年問題」とは
偽装請負が社会問題化した06年、製造業を中心として多くの企業が偽装請負の「解消策」として、請負を派遣に切り替えた。労働者派遣法は、「正社員の代替化」を防ぐため派遣の契約期限を3年と定めており、これを越えて労働者を使い続ける場合には、企業は直接雇用(期間工を含む正社員)か、請負への切りかえが必要になる。この切りかえ時期が09年、いっせいに訪れ、労働力不足から工場の操業停止に追い込まれかねない―これが企業にとっての「09年問題」だ。直接雇用は福利厚生などのコストがかさみ、かといって請負は直接業務の指示を出すことができず円滑な操業ができない。しかも後述する厚生労働省通達により、脱法行為の釘も刺された。企業にとっては八方ふさがりの様相だ。
一方労働者にとっては、06年以前の偽装請負が頻発しかねない上、直接雇用となっても期間工などの有期雇用契約を強いられたなら、不安定雇用の解消にはつながらない。クボタの争議がいい例だ。
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