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更新日:2008/11/02(日)

[海外] 3児の母、非白人の目線からみたアメリカ留学
──玉山ともよ

乾燥機とオムツから見える大量消費社会

昔私が子どもの頃、40才というと「立派なおばはんや」という認識があった。

しかし、実際に自分が来年その年になるというと、その自覚が沸かない。「なぁ、風ちゃんのおばちゃーん」と近所の子に呼ばれて、「あぁ、やっぱりおばちゃん、もうおばはんなんやなぁ」と気付く。

近頃は晩婚・少子化と言われて久しい。私も例外に漏れず、結婚したのは26才と結構早かったと思ったが、最初の子を出産したのは32才。次に産んだのは35才、そして一番最近に産んだのは38才。スタートは遅かったが、次々と少子化に貢献?してきた。

本当は1番目と2番目の間にもう一人いて、計4人いるはずだったが、あえなく流産。

その時私が試みたのは、家にいて鬱々しているよりも外に出てみること。それがきっかけとなって、大学院を再受験。運良く受かって、今5年目、博士課程に在籍。18のときから大学に入って、二つの無用な修士を修め、足掛け約20年学生をしている。家は貧乏なので、バイト歴は高校の時から多々あるが、職歴は見事になし。

ここアメリカで、さらなる高学歴おばはんニートを目指して、今必死こいて勉強しようとしている。7才、3才、0才の子ども達を引き連れて、今年の夏より1年間留学に来ている。目的は、私の研究テーマ「アメリカ先住民のウラン鉱山による被曝と再開発問題をめぐって」のフィールドワーク。

大学院に入れたのはいいが、翌年真ん中の男の子が生まれ、その2年後にもう一人女の子が生まれ、子育てしながら勉強するのは容易ではない。加えて夫は有機農業の専業農家で、家でする作業は家事を含めて気が遠くなるくらいにある。そんな中で数々の助成金に応募しては落ち、唯一受かった奨学金を得て渡米している。

学生向けの助成金なり奨学金には、ほとんどと言っていいほど、「子連れ」という状況が想定されていない。だから万が一受かっても、自腹を切る場面がたくさんある。とりわけ海外へ行こうという場合には。

子ども達はまだまだ小さく(一番下はまだオッパイやってるし)、置いていくことはできない。置いていっても、たちまち夫は農作業ができなくなる。祖父母から引き継いだものではなく、彼が選んで始めた田舎暮らしであり、農業だ。野菜を売って細々生計を立てているので、家にはいるが、かなり切羽詰って毎日作業をこなしており、普段子ども達の世話をメインでしているのは私。だから全員引き連れて、ここニューメキシコ州アルバカーキにやってきた。

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