[政治] 橋下大阪府知事「できる者を伸ばす、いずれ彼らが国を引っ張る」
【意見特集】学力テスト結果公表
全国学力テストの結果をめぐって、大阪府教育界が大揺れだ。市町村ごとの平均正答率公表を迫る橋下・大阪府知事に対し、阪口吹田市長は「アホな大騒ぎにつきあっていられない。点数だけで評価できないのは自明の理」とし、公表に反対する姿勢を示した。今号は、このテーマの意見特集号とした。(編集部)
橋下教育改革のブレーン達「生活改善・反復練習で学力向上」?
橋下知事が目指す教育改革とは何か?そのブレーンは新たに府教育委員に就任する陰山秀男氏と小河勝氏、加えて府特別顧問に就任した藤原和博氏だ。知事は、「3人の教育手法で大阪の教育を立て直したい」と期待を込めた(産経新聞08・9・20)。 まず、これらブレーン達の主張に耳を傾けてみる。
藤原和博
藤原和博氏は東京都杉並区で03年度から5年間、同区和田中学校の校長を務めた。以来、塾講師を活用し、有料の夜間授業を行う「夜スペシャル」や、土曜日授業「ドテラ」(土曜寺子屋)の実施で注目された。背景には、学校選択制(学区を越えて入学できる)のもとで、公立中学の存在感を高める目的があった。だが夜スペには「成績優秀者だけの特権だ」「営利企業である進学塾に利益を与えるものだ」といった批判が寄せられており、学校選択制についても学校間格差の進行が指摘されている。
橋下は「藤原先生に大阪の公立小学校、中学校の学校運営の方法について、和田中で成功されている部分を大きく大阪で広げていただきたい」と述べた。
陰山英男
陰山氏は「100ます計算」で耳目を集めている教育者。教育法の根底にあるのは「基礎的な生活習慣を身につけさせること」と「反復練習」だ。「ゆとり教育」見直し派で、授業時間数10%増を進めてきた。
氏の「陰山メソッド」の特徴は@朝食は必ず摂らせる。A遅くとも22時には就寝させ、テレビは出来るだけ見せない。B深夜まで塾などで勉強させることは推奨しない。03年、広島県尾道市の土堂小の校長に公募で採用され、全国学力検査でトップレベルの成績を引き出した。
山口県の山陽小野田市が、実施した「生活改善・学力向上プロジェクト」を監修。「早寝早起き朝ご飯」といった生活改善で、知能指数が平均9ポイント、学力偏差値が同2.2ポイントアップしたという。
「教育は全国民的なもの」として、地域の協力を得て運営していくべきという立場から、情報公開をして「透明性のある運営」を求め、学校評価制度や教職員の評価制度を推進している。