[海外] パレスチナ/ナクバ60年後も増え続ける離散パレスチナ人
──7月9日 パレスチナ・ニュース・ネットワーク(PNN)
エルサレムにおける民族浄化
エルサレムのパレスチナ住民は、イスラエル当局からあの手この手の民族浄化迫害を受けている。
例えば最近東エルサレムで生まれ育ったパレスチナ人が、妻と子どもを残して米国へ留学している間に、在住権が剥奪され、帰郷できなくなった。渡航関係書類の期限が切れそうになったので、サンフランシスコのイスラエル領事館へ再申請に出向くと、領事館は彼の書類を全部没収し、「エルサレムに帰る資格なない」と申し渡した。
その後、彼は苦労してやっと米国のパスポートを手に入れ帰郷しようとしたが、国境を管理するイスラエル兵から入国を拒否された。「『入国不可』のスタンプをパスポートに捺されて突っ返されました」と彼は語った。
彼は隣国ヨルダンへ行った。エルサレムの妻は夫に会うためにアンマンへ行こうとしたが、イスラエル兵から「外国へ出たら居住権剥奪処分となり、二度とエルサレムへは戻れない」と言われたので、アンマンへ入らずに、そのままエルサレムへ戻った。夫は、何百万人といる離散パレスチナ人や難民パレスチナ人の一人となり、家族と会えないでいる。
「エルサレム帰郷権利運動」のコーディネーターであるラシャ・ムクビル氏は、これと同様なケースが何千件もあると語る。著名なパレスチナ人政治家ハナン・アシュラウィの娘さんもエルサレム帰郷を許可されていない一人である。
これは、エルサレムをパレスチナ人から奪い取ってユダヤ化するイスラエルの運動の一環で、もちろん、国連決議によって禁じられている不当なものである。
次に紹介するのは、モナという若いパレスチナ人母親が書いたもので、「私の住処がなくなった」というタイトル。
親愛なる友人と家族の人たちへ
最近の出来事をお知らせします。ご存知のように私は3月18日から、生後5ヶ月だったラムジといっしょにエルサレムにいます。わざわざ夫のハビブを米国に置いて、4ヵ月間エルサレムに住みにやってきたのです。IDカード、つまりエルサレム居住権を守るためでした。奇妙なことですが、エルサレムで生まれ育ったパレスチナ人、私の家族のように先祖代々エルサレムで住んできたパレスチナ人も、イスラエルの法律では、単なる逗留者にすぎず、永住者ではないのです。従って、いつでも居住権を剥奪される危険があります。