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[反貧困] 貧乏フリーター弾圧する高給警察官

犯罪犯しても退職金１千万円

昨年８月、東京・国分寺で起きた警視庁立川署の40歳の巡査長によるストーカー殺人事件。自殺した巡査長は、一方的に被害者の女性に好意を抱き、ストーカー行為を繰り返していたが、警視庁は、加害者の巡査長の遺族に対して１２００万円の退職金支給を決定した（遺族が辞退）。

２０００年12月、神奈川県警広報課音楽隊警部補（42）が同僚の女性を殺害後に自殺した事件でも、神奈川県警は遺族に１０００万円を超える退職金を支払っている。また、04年４月には、神奈川県警公安３課の警部補（43）が横須賀市内で乗用車内をビデオカメラで盗撮する事件があり、訓戒処分を受けて翌５月に依願退職した。県警はこの警部補に対し、「軽犯罪法・県迷惑防止条例違反には該当せず」と立件を見送り、退職金約１０８０万円を支払った。11月には、JR戸塚駅で女子高生の後ろからカメラ付き携帯で盗撮した鶴見署の巡査部長（31）が依願退職となったが、退職金３３０万円が支払われた。

なぜこうした犯罪者や規律違反者でありながら、警察官には退職金が支払われるのか？警視庁は、「巡査長が自殺した時点で『退職扱い』となり、懲戒処分にできない」と説明する。神奈川県警にいたっては、これらの事実を公表しないまま退職金を支払っていた。

身内に甘い警察体質が如実に表れた事実だ。そういわれれば「法の番人」たる警察官の給与については、あまりその実情を知らないことに気づいた。警察官の給与はどうなっているのか？　（編集部）

巡査部長（34歳）時給３０００円

兵庫県人事委のデータ（07年）を元に、警察官の給与額を見てみよう。

警察官の給与は、各都道府県の人事委員会による報告・勧告によって定められている。兵庫県警の警察職員も、「巡査」「警部」といった階級に基づいて１〜９級の職務給に分けられ、それぞれ最大１６５号給まで細かく給料額（基本給部分）が決められている。この号給は、年齢・学歴や勤務内容など個々人の事情でバラバラのため、もっとも人数が多い号給を元にモデルケースを算定した（表参照）。また、各種手当ては支給額にバラツキがあるため、平均額で計算した。これに期末手当（賞与）を合算して年収を計算し、月平均勤務時間で割って、時給を割り出した。

警察学校での教育を経て、２年足らずの警察官（24歳・独身）は、年収４８６万４９３円、月収40万５０４１円となる。これを月平均の勤務時間（１９２・５時間）で割ると、時給は２１０４円だ。巡査長（27歳・独身）だと年収５２５万４５５３円で、時給２２７４円、巡査部長（34歳・既婚）では、年収６７３万７１０４円（時給２９１６円）、警部補（58歳・既婚）では年収９１１万８７６８円（時給３９４８円）となっている。

特別手当の内訳は、地域手当３２８３７円、住居手当４４２４円、通勤手当１４９７３円、扶養手当１４０１５円、管理職手当１２７４円、その他手当９９８４円、時間外勤務手当４５８９１円。またここには算入していないが、退職金は平均２８２３万８０００円だ。

「持たざる者」・フリーターデモへの過剰な規制─弾圧は、弊紙でもたびたび報道してきたが、「デモするフリーターと、弾圧する警察官」は、１０００円を超すか超さないかの時給（日給では手取り６０００円程度）で働いている若者が、倍以上の時給を取っている警察官によって高圧的・暴力的に規制され、弾圧されているのである。大多数のフリーターより年下であろう、20歳そこそこの警察官ですら、だ。