[社会] 釜ヶ崎暴動/24名逮捕、12名起訴、労働者へのリンチには居直り
卑劣な「敵味方司法」
6月13日(金)から5夜にわたって闘われた西成署の警察官による暴行(リンチ)への抗議行動に対し、大阪府警は苛烈な弾圧で応えている。
6月18日(月)には西成署長に謝罪と話し合いを求めていた釜ヶ崎地域合同労組の稲垣浩委員長を逮捕したのに続き、7月9日(水)には釜ヶ崎炊き出しの会の活動を担う労働者Yさん、17歳の少年を含む5名を逮捕した。「暴動」が始まって以来、逮捕者は24人(うち未成年5人)となり、うち、稲垣さんを含めて12名が起訴されている(7月17日現在、6・13救援会による)。
ただちに釜ヶ崎地域合同労組が呼びかけて6・13救援会が組織された。事件の発端となった西成署警察官による暴行を受けたNさんも含め、釜ヶ崎内外で活動する様々な立場のグループ・個人が集まり、被疑者への差し入れ・面会、弁護士との打ち合わせに日々奔走している。
6・13救援会への支援を呼びかける。
稲垣さんの逮捕容疑は「労働者らに抗議を呼びかける際、許可を得ずに車を停めた」とする道交法違反(無許可道路使用)だ。こんなことで逮捕されるなら、西成署は逮捕者と押収車両であふれかえってしまうだろう。「敵味方司法」(国家権力の味方には寛大で、敵には厳密に適用する)と言われるが、公平性を欠いた、政治的・恣意的な法の運用がなされている。7月9日、稲垣さんは道交法違反(無許可道路使用)で起訴された。
暴動中の18名の逮捕(11名が被起訴)、事後弾圧の5名逮捕についても、過剰とも言える反応だ。90年、92年に釜ヶ崎で大規模な暴動が起こった際にも事後弾圧があったが、被逮捕者は労働組合の活動家などに限られていた。一般の労働者や少年も含めて事後弾圧するのは例のないことだ。サミット財務相大阪会合(6月13日〜14日)開催中に大失態を演じた大阪府警の報復というべきか、警察国家化のトップランナーを走る大阪府警の面目躍如というべきか。いずれにしても、労働者にリンチを働いた警察官の謝罪と処罰を適正に行うどころか、「事実無根」とトボけて居直り続ける西成署だ。恥知らずと呼ぶより他ない。