更新日:2008/08/16(土)
[情報] G8から見える現代世界の構図/スーザン・ジョージ氏インタビュー
私たちはどんな世界に向かっているのか?
洞爺湖サミット対抗行動のため来日したスーザン・ジョージ氏にインタビューを行った。「成田に到着して以降、朝から晩まで話し続けている」とため息をつくほど過密なスケジュールの合間を縫ってのインタビューだった。このために、用意していた全ての質問に答えて頂く時間はとれなかったので、北海大学(札幌市)での講演やその後の研究会に参加・質問し、内容を補った。74才という高齢ながら、背筋をピンと伸ばし、曖昧さや妥協を嫌う率直な語り口は、闘志いまだ健在なりを十分見せつけてくれた。 (文責・編集部)
危機を解決できないG8
G8は、世界の軍事費の4分の3、生産高の3分の2、そしてほぼすべての核兵器を所有している諸国だ。しかしG8は世界の指導者としては正当性を欠いたものである。なぜなら彼らは、自分で自分を主要国と任命し、勝手に方向性を打ち出しているだけだからだ。
G8は、今我々が直面している深刻な危機を予見することができなかった。73年に石油危機を経験した後も、依然として石油依存の経済体制を続けているし、金融危機も繰り返されるたびに大きくなっている。
また、G8は公約を履行していない。98年のバーミンガム・サミットで「最貧国の債務を帳消しにする」と公約したが、今も実現していない。05年のグレン・イーグルサミットでは、アフリカ諸国に250億jの資金供与を公約したが、声明文から「250億j」の数字が消されていたことが最近判明した。つまりG8は、危機の予見にも解決にも無能だったのである。
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