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更新日:2008/08/16(土)

[コラム] 五味正彦/オルタな生き方、働き方

ワーカーズコレクティブ

今さら、ここで私が言うまでもなく、60歳、又は65歳を越えた、ニューシルバー世代と定職に就けなかった若者たちの仕事のし方、これは現代日本の最大の社会問題のひとつだ。

働く、労働する、仕事をする、それぞれニュアンスが違うが、いずれにせよ、「人間らしく働く」「人間らしく労働する」「人間らしく仕事をする」状況を考えれば、テーマ・時間・収入・やりがい等の複合的評価が重要だと思う。

アキハバラの例の事件を契機にマスコミでも若者たちの働き方、あるいは働けない今の社会のしくみなどが大きく取り上げられるようにはなった。正規雇用と派遣との比較といった内容のものが多い。

しかし自分の40年間の働き方を振り返ってみて、私はもうひとつの働き方をずっとしてきたと言った方がよい。

40年前の1968年、米原子力空母の佐世保入港と反対運動でこの年の幕が開くのだが、21〜22歳だった私はこの時期、学生運動・市民運動・デモに明け暮れつつ、数10種のバイトで食費と学費を賄っていた。

給料をもらう定職に就いたのは1回きり、69年秋、当時の佐藤首相の訪米反対斗争が終わった時期、運動で知り合った日高六郎氏(当時東大教授・社会学者)の引きで、日高氏が代表の在野の文化・調査団体、国民文化会議の専従スタッフになった1年半だけだった。

その次は、ミニコミ書店・模索舎。70年秋数10名の同世代の運動仲間と金を出し合いつくった当時は、併設していた「スナックシコシコ」の方が話題だった。そして運動をしながら自分たちで会社や店、つまり仕事づくりをする第1号、「就職しないで生きる」のひとつのモデルと新聞や雑誌にもよく紹介されたものだった。

そのあとは87年に、本のオルタナティブな流通屋・ほんコミ社をつくり、05年に早期引退をし、有機本業をつくり今日に至っている。

私たちのこの歩みは、仕事のテーマも仕事のし方もオルタナティブだった。

そして私はつい最近、私たちとは違った歩みからオルタナティブな仕事づくりをしている集団と出会った。

その団体は、「日本労働者協同組合連合会」であり、「NPO法人ワーカーズコープ」でもある。

労働者が自ら金を出し合い、生産手段を所有し、経営し、分配する協同組合。約20年の歴史を持つという。前身は全日自労(失対事業の自由労働者の組合)だそうだが、独自の組織論をつくり発表してきた。

そして今、シルバー世代と若者たちの仕事づくりのひとつのモデルになっている。あまり知られていないが注目です。ワーカーズコープ。

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