[情報] 素顔の欧米反グロ活動家/ザック・モリス
パンクロックからアナーキズムへ 恋人の負傷が契機に
警察が「暴徒」・「過激派」と盛んに宣伝する欧米の反グローバリズム活動家とは?その素顔の一端を紹介したい。
「自分はアナーキストだ」と名乗るザック・モリス(30)は、IWW(世界産業労働組合)活動家だ。労働運動の傍ら「反人種差別行動」やパレスチナ連帯闘争にも参加する。反G8行動にはIWW代表団5名と共に来日し、豊浦キャンプでの抗議行動に合流した。
米国・ニュージャージー州生まれのザックがアナーキズムに触れるきっかけは、パンクロックだったという。13才の頃、パンクの反逆的な歌詞に惹かれ、ロッカーたちの評論を手始めに、ニーチェ等の哲学書も読むようになった。
「頭だけのアナーキストだった」ザックが直接、運動に参加するきっかけとなったのは9・11事件だ。WTCで仕事をしていたザックの恋人は、怪我をして会社の同僚たちに背負われ、崩壊の数分前にビルの外に逃れたものの、背中に重傷を負った。
その後、世界中ででわき起こった反戦運動に関わり始めたザックは、彼女に「反戦集会でその経験を話す」よう説得。以降「頭だけの主義者に後戻りできなくなった」。
ザックは、非正規労働者だ。IWWの専従費では生活できないため、不定期のアルバイトで稼ぐ。北海道の後に大阪・釜ヶ崎に行くというが、その理由は「日雇い労働者の生活と運動を知りたい」からだと語る。
ザックにデモやキャンプの印象を聞いた。@警察警備の過剰さには、呆れてしまう。A米国でのデモはもっと戦闘的だが、逮捕後23日も拘束される日本の重弾圧体制を考えると、「逮捕者がでないように」というデモ主催者の言い分も理解はできる。Bただ、反G8直接行動としては物足りないものが残ったのは事実、Cサミット会場に近づけないのならば、ウィンザーホテルへの輸送や資材納入などの関連施設会社にデモをかけるなど、戦術にもっと工夫をこらしたらどうか、D今後の日本の運動の発展と連携に期待したい。とのことだった。
頭髪を短く刈り上げ、あごには濃い髭。デモとなればサングラスをかけて黒いマスクで顔を覆う。弾圧対策で写真を掲載できないのが残念だが、いかにも「戦闘的」な容姿の奥には、とても素直そうな青い目があった。