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【注】
@フリーター全般労組(FZRK)
 弱肉強食の新自由主義下で不安定な労働を強いられるプレカリアートが中心の労働組合。非正規雇用者のためのネットワーク「PAFF」(Part-timer, Arbeiter, Freeter & Foreign Workers)を母体に04年に結成した。グッドウィルユニオンなどの日雇い派遣ユニオンの立ち上げにも参加。組合員約80人。

A自由と生存のメーデー
 サウンドデモをはじめ多様な表現による独立系のフリーターたちのメーデーのひとつで、05年にFZRKの呼びかけで始まった。08年のテーマは、「プレカリアートは連結・増殖する」。同様のメーデーは年を経るたびに拡大し、今年は全国14ヵ所で工夫を凝らしたメーデーが行われた(1311号参照)。

Bガソリンスタンドユニオン争議
 昭和シェル石油特約店の関東礦油がスタンドの「セルフ化」と閉鎖を強行。労働条件の不利益変更・解雇に対し、ユニオンを立ち上げた。3月、ガソリンスタンドが一時閉鎖される日、つまり解雇日の前日、組合員はスタンド敷地で不当解雇撤回と団体交渉を求めてストライキを行った。現在、労働審判で解雇無効を申し立て係争中。
更新日:2008/07/14(月)

[反貧困] フリーター全般労組「ジェンダー・学歴」テーマに懇談会

「違い」から目を逸らさず、オープンな議論を

フリーター全般労組が組合大会を前に、組合員自由参加の懇談会を開いた。テーマの一つが「ジェンダー・学歴」。人民新聞に投稿された「フリーター労組運動はインテリ左翼の気まぐれ」(1307号)との投書に端を発し、協働の輪を広げるためにも組合内でこの問題を討論すべきとの意見が生まれた。

「学歴なんて関係ない」には「ちょっと待て」という感情が

清水…フリーター労組は、男性中心主義ではないのかという批判が先入観も含めて寄せられています。ちなみにFZRK(フリーター全般労組)組合員の男女比は、7対3くらい。執行委員は、11人中、女性は私1人です。男女比が男性に傾いていることは事実ですが、ただ、ジェンダーのアンバランスがあるということと、男性中心主義は、違うと思います。

さらに「女性は結婚という逃げ道があるから、フリーター労組には入ってこない。男性の方が切羽詰まっているから入ってくるのだ」という意見も聞かれます。この発想こそが男性中心主義だと私は思います。

また、組合外の女性から次のような指摘もありました。「男性は、(女性に比して)時間や人脈や金などの蓄積があるので、運動の中心を担いがちになる。それで運営も男性に偏りがちになるのではないか」というものです。

山口…学歴についての指摘もある。人民新聞に「高学歴左翼の気まぐれ」という意見が寄せられました。インテリ左翼が切実なフリをして、本当に切実な人たちを騙して遊んでいるだけだということのようです。

かたや、ガソリンスタンドユニオンの争議(注1)に対しては、「低学歴なフリーターどもが…」という悪罵と共に、インテリ左翼がこれを煽動・利用しているとの二重の批判メールが大量に寄せられています。「遊びであって何が悪いのか?」という開き直りはこちらに置いておいても、この背景に何があるのかを議論したいと思う。

山口…「左翼インテリ…」という批判は、(高学歴男性は)とりあえず黙っとけということ?それとも、もっと何かをやれってことなの?

QT…それなりの配慮をしろということじゃないですか。

山口…「プレカリアート」と括ってみても、女性・外国人・障がい者など、立場や状況の違いがある。その差異を見つめなければならないということは分かる。その上での「配慮」というのは何?

QT…例えば、米国の公民権運動では、執行部の半数は女性にするという組織運営がなされた。要するに、より厳しい状況に置かれている人にスポットを当てて、運営上も中心に据えて、高学歴・男性はこれに従い、支える役割に徹する。そういう試みもありますね。

DJ MIxnoise…「配慮」という言葉自体に上から見られているような響きがある。おまけに、「配慮」ということで、きつくて声を上げられない状況の人に対し、「バランス上問題だから、君(執行部を)やりなさい」というのは、きつい当事者に対して2重の足枷をはめるになりかねない。

こうした立場や状況の違いに起因した問題は、新しい運動には必ずつきまとう問題だし、永遠に解決されない問題だとも思う。だけどその前に運動内部のコミュニケーションが足らないと思う。(低学歴も高学歴も)お互いが勝手に相手のイメージを作り、疑心暗鬼になっている側面もあると思う。

ただし、話をすれば理解し合えるほど単純な問題でもない。中卒の僕が、事務系・時給1300円以上の職には絶対に就けないという事実はある。だから「学歴なんて関係ない」と頭ごなしに言われると、「ちょっと待て」という感情は出てくる。「学歴」についての違和感などは個人の感情レベルから話さないと、絶対にわからない。こうした個人的感情も含めて面と向かって話せる場を設定することで、ある程度、対立は緩和できると思う。

こんな思いもあって企画したメーデー(注2)夜のクラブイベント終了後、様々な感想が寄せられました。小卒で通信制で大学の講義を受講しているという40歳代の男性が、「(中卒の)あなたのような人が司会をしたので、安心してしゃべることができた」と話しかけてくれた。嬉しかった。今後は、河原でバーベキューをしながら話するなど、出入り自由な平場でフリートークの様なものをやっていけば、解決できる部分はある。

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