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更新日:2008/06/15(日)

[社会] 飢餓を食い物にするアグリビジネス投機ファンド

食料高騰で儲けているのはこいつらだ!

G8サミットの主要議題は、気候変動とアフリカの開発問題と言われている。5月28〜30日には、アフリカ開発会議(TICAD)が横浜市で開催され、食料価格高騰による飢餓問題が「第1に優先されるべき課題」(潘基文・国連事務総長)としてクローズアップされた。

まず、「飢餓」の原因が、食糧の不足によるものではなく、分配の歪みによって引き起こされていることを指摘したい。福田首相が言うようなインフラ整備をして「開発」しようとも、主要原因である「分配」のあり方が変わらなければ、貧困国の飢餓は解決しないどころか、広がり深刻化するのである。

次に食料価格高騰によって大儲けしている輩がおり、飢餓は自然条件ではなく経済活動によって作られていることも重要な点だ。投機資金の流入が価格高騰の要因と指摘されているが、多国籍アグリビジネス自身が投機を行い、価格をつり上げ、利益を極大化している。

「死の商人」とは、兵器産業を指す言葉であった。しかし今やアグリビジネス=巨大食料企業も、企業利益のためには人が死ぬことも厭わない「死の商人」の仲間入りをしている。(編集部・山田)

多国籍穀物企業の大もうけ

上の表(※)を見れば、食料メジャー(多国籍食料企業)がいかに大儲けをしているか?目を疑うばかりの数字が並んでいる。

ADM社は、トウモロコシ・大豆・その他穀物の大部分を支配する穀物メジャー・トップである。同社は、経常利益を僅か3ヵ月間で42%増加させ、今年1〜3月期の収益=5億1700万jは、商品市場での投機によるものであることを経営会議で確認している。

さらに同社は、原料の穀物をエタノール・家畜飼料・一般の食品に加工して、販売もしており、生産・流通・販売全ての分野で食料価格高騰の利益を享受している。

カーギル社は、08年2月までの9ヵ月間の純利益合計が29億100万ドルに達し、すでに07年年間純利益(23億4000万j)を上回った。

ちなみに2007年の世界の穀物生産量は21億d(世界人口一人あたり約350`)で、過去最高を記録している(国連食糧農業機関)。にもかかわらず価格は、食料全体で過去3年間に83%も上昇したのである。@価格高騰は、生産不足によるものではなく、A食料が適切に分配されれば飢餓は発生しえないことは、明白である。※無料WEB版では非公開とさせていただきます

農産物貿易自由化による食料の偏在

先のADM社は、穀物の貯蔵・輸送・取引上の操作で利益を7倍化したと伝えられている。食料価格高騰の根本的な原因は、経済のグローバル化=農産物貿易の自由化により、食料も他の商品と同様、世界市場を流通する商品になってしまったことにある。

農産物貿易は、2005年に5000億jを突破し、この20年で2.5倍に増化した。80年代までは総生産高の10%程度で、大半は生産地域・国家内で消費されていたが、「自由化」で輸出に回されるようになり、また、主食生産から商品作物に転作されることで貧困層から食料を奪っていった。

輸出された食料は先進国が買い漁り、飽食・肥満・大量廃棄という、食の爛熟の背景となっている。G8の輸入額が全体の4割を占め、特に人口比2%の日本が食料の10%を輸入している事実を忘れてはならない。

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