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更新日:2008/06/07(土)

[コラム] 兵庫県議会議員 稲村和美/国際連携見据えた「みどりの政治勢力」の結集を

第2回「緑の党世界大会」参加レポート

5月1〜4日、緑の党国際ネットワーク=「グローバルグリーンズ」の第2回世界大会がブラジル・サンパウロで開催された。80ヵ国以上の緑の党・グループが参加。2001年にオーストラリアのキャンベラで行われた第1回大会から7年ぶりの開催とあって、会場は終始、交流を深める参加者と熱気で溢れていた。

今大会では、「21世紀に向けた21の提言」が夥しい修正を盛り込んで採択されたほか、「気候変動」「生物多様性」「持続可能な都市」について決議が採択された。また、欧州と豪州の提案で、事務局機能を強化し、グローバル規模でのグリーンズの存在感を拡大する方向性が確認された。

日本からは、地方議員中心の「虹と緑」、2004年に中村敦夫氏を先頭に参院選に取り組んだメンバーを中心とする「みどりのテーブル」の2団体が、稲村を代表とする合同の派遣団18名で参加。(研究者中心の「エコロジャパン」からも2名。総勢20名が参加した)

今回、日本派遣団は2つの決議案を準備した。一つは、洞爺湖サミットをにらんだ「原発に頼らない温暖化対策を求める決議」。展示ブースでは日本の原発と震源地をプロットした地図を掲示し、中越地震による柏崎刈羽原発事故のレポートや、洞爺湖サミットに向けたNGOのポジションペーパーの英訳版などを配布した。この決議案は、台湾の文案との合体修正を経て全体会で採択され、大きな成果となった。

もう一つは、アフガン・イラクをはじめとする国際的な武力介入が泥沼化している状況を受け、今後の武力行使を抑制するための「武力行使の事後的検証の重要性に関する決議」。これに関連して、米国で宇宙の軍事利用に反対している活動家と共にワークショップを主催した。

残念ながら宇宙基本法が十分な審議もないまま成立してしまったが、ワークショップには連立政権内部でミサイル防衛問題に苦慮しているチェコ緑の党のメンバーにも参加してもらい、国際的な連携への足がかりを作ることができた。

こちらの決議案は全体会には持ち込めなかったが、ワークショップの成果として、「21の提言」の平和・安全保障関連部分について、ミサイル防衛を含む宇宙の軍事利用への反対と、武力介入の事後的検証の重要性を追加する修正を行うことができた。(日本の憲法9条への関心が高く、9条関連グッズをもっと持っていくべきだったと反省!)

今回改めて感じたのは、事前の国内や国際会議現場での討論を通じて、認識を深め、主張に磨きをかけることの大きな意義だ。また、洞爺湖サミットで若者を中心に国際的な取組み提案も飛び出した。大急ぎで検討・準備を始めている。

私たちは、世界大会への参加に加え、2005年にはアジア太平洋グリーンズネットワークの国際会議を京都で実施するなど、グローバルグリーンズの中で認知され始めた。しかし、肝心の国内において、みどりの政治勢力として市民の前に登場できていない。

現在、「虹と緑」と「みどりのテーブル」の合流を視野に入れた、新しいみどりの政治ネットワークの再編に向けて、議論を進めている。今回の経験を国内活動の飛躍の一助にしていきたい。

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