更新日:2008/06/07(土)
[社会] 「はたらく」は「傍を楽」にすること
「暮らしが仕事。仕事が暮らし」
「『はたらく』は、傍(はた)の人を楽(らく)にすること。周囲の人のために自分は何ができるだろうか?と考えるようになってきた」―豊岡市で「土恋処農園」を始めて10年の中村明弘さん(36才)は、こう語る。「周りの支えで壁を越えてきた、自分も役に立てたら」と願う。収入は、そうした「はたらきへのご褒美」だという。
中村さんは、連れ合いの千恵さん(39才)、1〜12才の子ども3人との5人暮らし。「暮らしが仕事。仕事が暮らし」をモットーに、田んぼ3反と畑2反を借りて米・野菜を栽培している。数年前から漬物・味噌に加え、千恵さん手作りのマクロビスィーツ(卵・乳製品・砂糖不使用のお菓子)など加工品も手がける。「ようやく自分たちの暮らしのスタイルが形になりつつあるのを感じる」という。
中村さん夫婦が農業を選んだのは、「土の匂いの中で子育てをしたかった」から。都会育ちの中村さん夫婦が農に行き着いた経緯とは?
「漠然とした憧れはあった」そうだが、農に惹かれていった理由は各々だ。明弘さんは、高校卒業後、アルバイトをしながら自転車で全国を旅した。沖縄から北海道まで4年間、金がなくなると旅先でアルバイトをして旅を続けた。北海道では、アイヌの土に根ざした暮らし・自然観に触れ、「土への思いが募っていった」という。
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