[政治] 大阪府財政再建PT案/府民に犠牲求め、銀行に大甘な橋下知事
銀行への利払い猶予・減額で、市民への犠牲は回避可能
橋下・大阪府政の財政再建PT案により、大阪府に新自由主義の嵐が吹き荒れている。
橋下知事は「あらゆる事務事業、出資法人、公の施設、人件費について、『聖域なく』ゼロベースでの総点検、見直しを行」うと勇ましい。しかし例外が一つある。府債発行にともなう銀行への利子支払いだ。橋下は府民の生活を直撃する様々な予算・補助金の大幅カットをぶちあげながら、銀行利子支払い猶予・減額には全く言及しない。
大阪府2007年度「当初予算について」から一般会計の内訳をみると、歳出合計3兆2555億円のうち、借金の返済にあたる公債費は3206億円と9.8%にのぼる。府債の発行残高は5兆2960億円。
府債の残高を借入先別に見ると、政府資金が7084億円で13・4%、市中銀行等が1兆6278億円と30・7%、さらに市場公募は2兆5538億円で48・2%を占める。市場公募も銀行引き受けがあるので、大阪府債の3〜5割は銀行からの借り入れと言っていい。
府財政課によると、公債費のうち、支払利子の総額は06年度=917億円、07年度=862億円。各銀行に支払われた利子総額や利率は明かさなかったが、平均利率は2%弱となる。つまり市中銀行への利子支払いは年間3〜400億円となる。橋下PT案では、出資法人や府有施設の廃止、医療費助成の縮減、教員の削減などを含む一般施策経費の削減目標を330億円としているが、まるまるこれに相当する。
府財政課は、「銀行名は明かせない」「府債の利率ごとのリストはない」という。だが、財政危機の根本問題は、累積借金の返済だ。『聖域なく』見直しを行うというならば、利子を受け取り続ける銀行にも「痛み」を分かちあってもらおう。大阪府はまず、銀行への利子総額と利率、銀行名を明らかにし、銀行への利子支払いの減額・停止を申し入れるべきである。