[情報] 自由と共存のメーデー2008東京
「貧困と戦争は同じ次元で語られるべきだ」
新宿騒然。東京のど真ん中に、突如お祭り的な異空間が出現した。
フリーター全般労組が呼びかけた「自由と生存のメーデー2008」に、昨年の2倍以上となる約1千人が集結した(主催者発表)。サブタイトルにある、「プレカリアートは増殖/連結する」様子をはっきりと社会に見せた。
午後4時、宣言集会が始まった。超満員の会場には人々の熱気が充満し、外に溢れ出した人を含めて550人が参加。改憲阻止、ユニオン、障がい者、野宿者など、様々な立場から宣言が出された。
集会全体を通して新鮮だったのが、「貧困と戦争は同じ次元で語られるべきだ」という共通認識が明確に構築されていたことだ。反戦・平和運動というと、どうしてもブルジョワ左派的な性格が批判されがちだった。明日の飯が心配な人々にとっては、世界平和に直接関心が向かないのも当然だ。ところが、象徴的な書を挙げれば、堤実果『ルポ貧困大国アメリカ』において貧困と戦争の共犯関係が暴露され、「いまのニッポンも『貧困大国』だ」と続いた湯浅誠『反貧困』によって、日本社会の行方もこのままでは危ない、という認識が共有される土壌が整った。
声を上げれば変えていける
来場者の一人、蔵持初さん(25)に今一番言いたいことを尋ねた。「福祉をないがしろにして軍事費に予算を割くのはおかしい。貧困のある社会は、戦争に希望を見いだしたり、排外的な思想を生み出したりする温床にもなる。貧困の解決は、戦争の根元を断つことになる」。
もうひとつ決定的に重要なことだが、ここに集まった人々は、単に物質的な要求運動をしているわけではない。賃上げや解雇撤回闘争を超えたところ、あるいはそのプロセスの中に、ある種のユーモアを含んだ創造的な空間をつくって、とにかく楽しもうという魂胆なのだ。
ガソリンスタンドユニオンの勝間田翔さん(26)は、組合結成直後、アルバイト全員の解雇を通告された。「米国におけるサブプライムローン問題のあおり」がその理由らしい。「ふざけるな!」と職場占拠や本社前行動で闘争中。「いろんな人とつながり合えて、ものすごく楽しい。僕たちは声をあげてもいいし、声をあげれば変えていける。」と発言し、喝采を浴びた。