更新日:2008/05/14(水)
[反貧困] 反貧困フェスタ/「自己責任なんてぶっ飛ばせ!」
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三月二九日、晴れ。お花見日和のこの日、東京・千代田区にある神田一橋中学校で「反貧困フェスタ」が開催され、一六〇〇人が集った。
校庭にはテントの模擬店や相談所が立ち並び、ステージの前に広げられたブルーシートの上には、歌に聴き入る人やお喋りを楽しむ人たちで、和やかな時が流れた。
校舎内では、高木・連合会長がパネリストの一人として参加した「労働と貧困」と題したシンポジウムをはじめ、雨宮処凛さんと廣瀬純さんによる対談や、貧困をキーワードにした様々なワークショップが開かれた。
来場者に話を聞いてみると、言葉の奥に、「貧困問題」の切実な現実が見える。
二人の子どもを抱えるシングルマザーのN・Yさんは、「このまま養育費が支払われず、国からの手当も削減されていくと、生活保護に頼らざるを得ない」と将来への不安を訴えた。日本の母子家庭における貧困率は、OECD諸国の中でも突出して高い。
「一旦普通の生活から落ちちゃうと厳しいですね。本来は国家や社会がサポートすべきなのに、全部個人の責任に帰せられ、結果的に貧困家庭とかホームレスとか言われ、一段下に見られる。日本はそういう個人責任がすごく多い」こう話す彼女に共感するのは、シングルマザーだけではないはずだ。
まさにこの自己責任論に異議を唱え、「貧困」の存在を認めさせるのが、今回の反貧困フェスタの目的だ。
「でも貧困っていう言葉はよくねぇな。気持ちが参っちゃうじゃねぇか。まぁバチだからしょうがねぇな」と不満げなのは、野宿をしているという佐々木さんだ。
彼のような野宿者は、構造的な失業問題を棚に上げた自己責任論の格好の生け贄となる。そして当事者自身も、その言説に取り込まれてしまう。
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