更新日:2008/05/10(土)
[コラム]兵庫県議会議員 いなむら和美/尼崎市・派遣社員無期限スト
「公契約条例」の制定が急務
尼崎市の住民票入力業務に従事していた派遣労働者の雇用継続問題が佳境を迎えている。市との当初の契約金額では労働者の賃上げ要求に応えきれなくなった派遣会社が、二〇〇八年度以降の随意契約を辞退すると、尼崎市は彼女たちのストライキを横目に再度の競争入札を実施。一度目は落札業者が辞退したため不調となったが、すかさず再々入札の実施を決めた。
このままでは、二〜七年間も従事してきた職場を彼女たちは失うことになる。五年目の競争入札で委託業者が変更になってからも仕事を継続してきたが、新業者の落札価格が低かったため時給が引き下げられ、有給休暇などの条件もリセット。その上、業務形態が「偽装請負」だったことが発覚し、彼女たちの身分はより不安定な派遣労働者へと切り替えられた。彼女たちの年収は約一五〇万円。ここには、さらに民間委託が進められようとしている『公務労働』についての問題が凝縮されている。
第一に、民間委託になじむ業務かどうかの精査と、たとえ民間委託のメリットがある業務だとしても、短期に労働者が入れ替わるような業務形態が適切かどうかの精査が欠かせない。
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