[反貧困] 派遣法改正/どうなるワーキングプア
派遣法改正に向けて論議急ピッチ
ワーキングプアの温床とも言われる日雇い派遣の規制をめぐって、労働者派遣法の改正を求める動きが活発化している。日雇い派遣大手のグッドウィルやフルキャストの違法・脱法行為が明るみに出たことにも追い風を得て、労働運動側の攻勢が強まっている情勢だ。
首都圏の労働組合やNPOが「格差是正と派遣法改正を実現する連絡会」を結成、昨年一〇月、一一月に続いてこの一月にも多くの国会議員の参加も得て、国会内で集会を開催し、派遣法の抜本改正を訴えた。経営側と国の危機感も顕著で、厚生労働省はこの冬、「日雇い派遣指針案」をまとめた。
「登録型派遣」の禁止を求める声
労働側の派遣法抜本改正の中身は三つの柱にまとめられている。
@派遣対象業務の限定
「一九九九年派遣法改正時の対象業務の原則自由化が「日雇い派遣」を拡大させ、雇用の著しい劣化を招いたことから、対象業務を一九九九年派遣法改正前に認めていた専門二六業務に限定すること。
なお、対象業務となる指定業務の範囲(ポジティブリスト)については、高度な専門性を必要とする業務という観点から厳格に限定すること」。
A常用型派遣を原則に
「専門業務の派遣も「細切れ契約」(短期契約の反復更新)の横行により、ますます契約期間が短期化し、雇用を不安定化させていることから、労働者派遣はすべて「常用型派遣」とし、「登録型派遣」を禁止すること。
なお、現在、登録型派遣で長期間(三年以上)働いている労働者については、常用型派遣に転換すること」。
Bマージン率の上限規制
「多額のマージン取得(「ピンはね」)が労働者の賃金水準を著しく低下させていることから、有料職業紹介制度における紹介手数料の上限規制(一〇.五%)と同様に、労働者派遣制度においてもマージン率の上限規制(例えば「二五%以下」)を設けること。(ここでいう「マージン」とは、「派遣料金 ― 賃金」を指す。マージン率=(派遣料金―賃金)÷派遣料金)」。 ※〇七年一月三〇日「院内集会」資料による
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これらにより、「日雇い派遣」を規制することで、安定した雇用を拡大し、労働者の就労条件の総体的な底上げを図るねらいだ。