更新日:2008/04/09(水)
[社会] 釜ヶ崎/西成署と杏林病院、労働者を路上に放り出し凍死させる
釜ヶ崎・野宿者への差別が招いた「殺人」
大阪府警西成署が、釜ヶ崎近くの杏林記念病院で治療を受けたばかりの労働者(六九)を引き取り、保護せずに路上で放置し、凍死させた事件があった。警察官職務執行法には、応急の救護を要するものを発見した場合、警察官の保護義務を定められている。
警察官の対応の問題もさることながら、救急搬送先の病院での治療も大きな疑問が残る。労働者をどのような症状と判断し、どのような治療をしたのか?なぜ警察を呼んだのか?警察に労働者の病状を説明したのか?医療法には医療の理念として「医療の内容は、単に治療のみならず、疾病の予防のための措置(…)を含む良質かつ適切なものでなければならない」と定めている。
労働者が、病院を出された後は野宿せざるを得ない状況であったことはわかっていたはずだ。六九歳という年齢を考えれば、この対応が「疾病の予防」につながらないことは明白だ。「福祉事務所への引き継ぎや、凍死を予防するという観点からも、最低一晩は入院させるべきではなかったか」(後述の申入書)との批判がある。
大阪では昨年一一月に、堺市の新金岡豊川総合病院の職員が、全盲の患者を西成区内の公園に放置するという事件が起こっている(一二九七号)。二月二〇日には高槻市で、高槻所内で毛布を敷いて休んでいた労働者が死亡した。労働者は、前日に駅で寝ていたら頭を蹴られたと訴え、病院に搬送されていた。その後も二度、計三度、路上で倒れているのを通行人に発見されて救急搬送されていた。
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