更新日:2008/04/09(水)
[反貧困] 熊本ニートデモ「市民社会を動揺させろ」
──山本桜子(デモ参加者)
参加レポート
引きこもりからファシストまで、わけのわからぬ有象無象が三〇余名も湧いて出て、九州は熊本の繁華街でデモをおこなった。
「2008ニートデモ@熊本」。呼びかけたのは熊本市に住む二七歳の「ニート」・馬野骨介さん。いわゆる就職氷河期世代で、労働経験もあるにはあるが、「ろくな仕事がなかった」。
八〇年代末に何か新しい“自由な”生き方として登場した「フリーター」は、約二〇年を経て、夢も希望もない若年労働者の“ジャンク化”を象徴する存在になり果てた。狭き門を突破し「正社員」の地位を獲得しても、今度は「過労死」するまでこき使われる。やってられるか!と労働を放棄したニートや、さらには過激に自宅にたてこもった「引きこもり」たちも実は、「そんなものはしょせん親のスネをかじっていられるせいぜい数年のモラトリアムでしかない」ことに充分自覚的で、内心みな不安におびえている。
この国の支配者たちも、問題の深刻さに気づきはじめてはいるようである。が、ヒステリックな「自己責任」論をわめきたてるばかりで、若者たちは事実上放置され、見殺しにされている。
労働のジャンク化や、良くも悪くも若者たちを「社会の一員」化する役割を担う伝統的共同体の崩壊は、いずれもいわゆるグローバリズムに起因しており、これを拒否する方向に国が大転換しないかぎり、解決するわけのない話なのだ。
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