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ミニ集会で市民に訴える井原前市長
更新日:08/03/05(水)

[政治] 井原前岩国市長惜敗/高い投票率に見られる民度の高さ

強大な政府権力に動揺させられた世論

岩国市長選挙で井原勝介前市長が敗北した。議会の反対を押し切って艦載機受け入れの是非を問う住民投票を発議し、示された住民意志に沿って艦載機受け入れを拒否。内外の受け入れへの圧力をかわしながら、あくまで住民意志に忠実であろうとした前市長が惜敗した。

今回の結果を受けて思うことは、まず、政府権力の強大さだ。あらゆる補助金や協力を極小化し、地方行政を麻痺させることが簡単にできる。予算を干上がらせ、商工会議所や地域住民組織を動員して、「不満」を市長に向けさせた。市会議員を使い、予算審議で混乱も作り出した。

井原前市長の英断を促した市民の活動には、大都市の運動にはない地域に根ざしたねばり強さがあった。しかし一方で、収入不足から幼稚園・保育園への補助金がカットされ、地域拠点病院の移転問題でも交渉が難航した。補助金カットの影響が、建設業者やその周辺だけなら、井原氏は楽勝できたと思う。しかし、保育所や病院という市民生活に直接関わる部分で収入不足が実感されるにいたり、世論は大きく動揺した。

市民と政治家が影響しあう民主主義の原点

二番目は、政治家と市民が相互に影響を与えあうという民主主義の原点を垣間見た気がした。

元々、井原前市長は、受け入れ容認だったと言われている。「(井原市長は)反対のポーズをとって、基地補助金をつり上げる戦略だった」。こう語る容認派市議もいるくらいだ。

井原前市長が、旗色を鮮明にしたのは、言うまでもなく住民投票の結果だ。山口県は、かつての「長州」。岸信介・佐藤栄作などの首相や閣僚経験者を出している地域だ。そうした政治風土のなかにあって岩国市民は、きっぱりと「基地NO!」を中央政府に突きつけた。その後も、合併後の市長選で移転反対を掲げた井原氏を圧倒的に支持し、庁舎建設補助金が凍結されると建設資金カンパ活動が生まれた。首長の一方通行のリーダーシップではなく、市民と政治家が相互に影響を与え、変わりながら政府と対決していった。

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