更新日:2008/02/23(土)
[海外] パレスチナ/越境するパレスチナ住民の底力
【連載】足立正生の、中東情勢ここがポイントだ!
新たなインティファーダが始まった
一月二三日未明、パレスチナ・ガザ自治区のエジプト国境の鉄壁が七ヶ所爆破され、数千の住民が雪崩をうってエジプト領に走り出た。歓声を上げて奔流する人々の波はぐんぐん拡大し、三日後にはガザ地区住民の半数=七〇万人を超えた。その人々の群れは、国境地帯の町々で医薬品や日用品、そして食料を大量に購入して自治区に走り戻る物流を作り、やがて、徒歩から乗用車の行列に拡大して、現在に至る。
この突然の、民衆の越境事件は、新たなインティファーダ(石礫の蜂起)である。
この人々の奔流の前で、エジプト国境警備隊や保安隊は武器を抑え人々を止めなかった。何故か。それは、ガザがイスラエル軍の包囲封鎖で巨大な「強制収容所」と化していたことを兵士たちが知っているからである。さらには、その地獄状況を知っていても救出活動が何一つ出来ずに放置していたことを、悔いていたからである。
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