更新日:2008/02/23(土)
[政治] 岩国市長選/言うこと聞かぬ自治体を兵糧攻め
予算案人質に辞任要求した議会
「基地補助金は、麻薬。切れれば欲しくなる。打ち続けると体力が落ちていく。そして薬を売る人だけが儲かる」─井原勝介前岩国市長は、生見集会所で住民にこう訴えた。そして「基地被害に苦しむ基地周辺住民のことも、同じ岩国市民として考えて欲しい」と付け加えた。
生見地区は、岩国市と合併(〇六年三月)した山間部の限界集落だ。市長選告示を一週間後に控え、井原前市長は、ミニ集会で辞任の経過や市長選の意義を訴えている。
岩国市は、井原市長(当時)が米軍再編による艦載機五九機の受け入れ拒否を表明。住民投票(二〇〇六年三月)で受け入れ反対の住民意思が示されて以降も、政府からの強い圧力と嫌がらせを受け続けている。その最たるものが、新市庁舎建設補助金の凍結だ。九七年に沖縄・普天間基地からの空中給油機受け入れの見返りとして決まった補助金だったが、艦載機受け入れ拒否を理由に、二〇〇七年度分=三五億円が突然凍結されたのである。あの守屋防衛事務次官が決定したという。
井原市長は、「約束違反だ」として防衛省に再三交付を求めたが、政府は「移転受け入れが前提」(額賀防衛相)とする態度を変えようとしない。
「他の補助金も減らされ、県の対応も冷たい。市は、新規事業がやれない状態だ」―反市長派の保守系議員は、「井原前市長の頑なな態度が岩国市行政を停滞させ、市民生活への悪影響も大きくなっている」と批判する。
続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。