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更新日:2008/02/09(土)

[海外] パレスチナ/ハマスが停戦提案
07/12/22 ウリ・アヴネリ

イスラエル軍の目的は「パレスチナの屈服」

カッサム弾も大砲も、ハマスが今週打ち上げたものに比べたらどうってことない。ガザのハマス政府のハニイエ首相がイスラエルの新聞に接触し、停戦提案を発表した。「カッサム弾発射も自爆攻撃も行なわないから、イスラエルもガザへの軍事攻撃も要人暗殺を止め、その完全停戦を西岸地区にも適用しよう」というものだ。

イスラエル軍部は激怒した。ハニイエは何様のつもりだ?汚い手を使って我々を止めることができると思っているのか?イスラエル軍の戦略にブレーキをかける試みは、これで二度目だ。

一度目は二週前、「イランは核計画を四年前にやめた」と米諜報機関が発表したことだ。本来、安堵の息をつく発表に、イスラエル高官は腹を立てた。イスラエルの評論家や世界中のお雇い知識人は、「この発表は無根拠で、何か裏に含むところがある」と中傷した。しかしこの発表は、米政権とイスラエルのイラン攻撃計画を無効にした。

そこへ今回のハマス停戦提案が、イスラエルのガザ戦略をやめなければならない可能性を作り出した。将軍も従軍記者も、政治記者も、評論家も、左右の政治家も、みんなこぞって「ハマス提案拒否」の大合唱をやっている。ハマスの策略で、油断させて攻撃してくることは確実だから、ハマス壊滅作戦やガザ封鎖、指導者暗殺は、むしろ強化すべきだ。

そもそもイスラエルのパレスチナ人対策とは、パレスチナ人が強い場合は彼らと和平を結ぶのは危険だし、弱い場合は和平を結ぶ必要はない、というものだ。つまり、パレスチナ人をやっつけることだけである。

「やつらと話し合うことはない!」とオルメルトは言った。今のままでいい。イスラエルから言えば、ガザ攻撃は、主権国家として当然の反撃である。

しかし、カッサムで死んだ国民はごく僅かで、その何百倍ものパレスチナ人がイスラエルの攻撃で死んでいる。

けれども、カッサムはスデロト(ガザとの境界に近いイスラエルの街)住民の間に恐怖を生み、砲弾で壊れた家屋の再建に経済的負担をかける。だとすれば、ハマスの停戦提案は歓迎すべきではないか?実際のところ、中央の政治家は、周辺部の地域スデロトの住民のことなど心配していないのだ。政治的・経済的に重要な地域ではないし、ただ軍にパレスチナ人弾圧の口実を与える有用性があるだけだ。カッサムが飛来してくれなくては困るのだ。

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