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更新日:2008/1/5(土)

[社会] 雇い止めと団結権を踏みにじる予備校経営者

「労働者性」を再獲得する象徴的な闘いに

「塾の講師など労働者ではない」――フリーターユニオン福岡(以下、ユニオン)の小野俊彦さん(三二)は四年以上働いた予備校から雇い止め通告を受けた。小野さんは上司からの度重なるパワハラ・暴言を受けて、安心して働き続ける権利を守るためにユニオンを通じて同社に最低限の雇用の尊重を要求した。しかし会社はあからさまにユニオンを敵視。一一月、「雇用関係も存在しないのに団体交渉を強要した」との理由で訴追した。小野さんは予定していた冬期講習すらも奪われてしまったが、あくまで労働者の権利として団体交渉を要求。一二月二〇日、労働委員会のあっせんを受けて、第一回の団体交渉が開催された。(編集部 中桐)

「塾の講師は労働者ではない」?

小野さんが働いていた予備校は、株式会社Gの経営する福岡市内のF校。この秋以来、直接の上司であり同社代表取締役のN氏は、業務上のささいな行き違いなどを理由に「まともに仕事ができないなら辞めろ」と恫喝を繰り返すようになった。

これを受けてユニオンは、雇用の尊重を求めて要求を出した。しかし会社は、ユニオンの要求を無視して一切の話し合いを拒否したうえで、四年以上働き続けた小野さんに雇い止め(更新を繰り返してきた有期雇用契約の一方的な打ち切り)を通告した。

さらに、「塾の講師など労働者ではない」「労働組合を通じて要求する権利などない」と決めつけ、会社側弁護士から小野さん個人宅に「組合を通じて要求などしつづけるのであれば法的手段に訴える」と脅迫めいた手紙を送りつけ、三日と待たずに「雇用関係もないのに団体交渉などを強要した」として訴えた。

小野さんは「会社側の経営事情を無視した法外な要求は一切していない」「相手の無内容な回答にも辛抱強く要求書を数回送って、会社や弁護士とも数度電話でやり取りをしただけ」という。

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