[情報] 旧日本軍性奴隷問題の解決を今すぐ
京都証言集会 いなりあきこ
傷つけられたロラ(おばあさん)たちの尊厳の回復を
私が参加している「旧日本軍性奴隷問題の解決を求める全国同時企画・京都実行委」は、韓国・フィリピン・台湾の被害女性を招いての証言集会を毎年行ってきました。今年は一一月一一日に、二年前にお招きしたフィリピンのロラ(おばあさん)に来て頂けることになりました。
二年前、私たちが招請の呼びかけをした当初、フィリピンの被害女性団体リラ・ピリピーナで進んで手を挙げて下さる方は誰もいませんでした。幾度も来日し証言を重ねてきたのに、一〇年間も闘い続けてきた裁判では事実認定すらされず棄却(二〇〇三年一二月二五日)された為でした。
そんな時、「誰もいないのなら、私が行ってあげる。でも日本に行くのはこれで最後にして欲しい」と言って手を挙げて下さったのが、七八歳だったピラール・フリアスさんその人でした。自らを貶め続けている日本にはるばる来させ、日々年老いていく証言者たちに追体験を強い続けているのを痛感し、息が詰りました。私たちはせめて少しでも滞在を楽しんでもらいたいと考え、大きなゲストハウスを借り、ロラたちと共に一〇日間を暮らしました。
今年の五月に国際会議の場で、ピラールさんに「今度はいつ京都に招いてくれるの?」という言葉を頂き、二〇〇六年二月に訪ねたフィリピンでお会いしたナルシサ・クラヴェリアさんと共にお招きすることになりました。再会できたことを心底嬉しく思うのと同時に、当たり前だと言えばそうですが「ああ、年をとられた」としみじみ思いました。
この二年で小泉は靖国を公式参拝し、安倍は妄言を繰り返し、ワシントンポストには歴史歪曲主義者たちの恥知らずな一面意見広告が載りました。アジア女性基金(いわゆる「国民基金」)事業も今年の三月に終わり、補償問題はうやむやにされたまま。義務教育の教科書には依然として「従軍慰安婦」は掲載されていません。そして、顔を知った幾人もの女性がこの世を去りました。