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更新日:2007/12/31(月)

[海外] アラブ系米国人とユダヤ系米国人の討論
──07年11月ビターレモンズより

米のイスラエル支持は米国民の総意?

ジョシュア・ムラフチク(ユダヤ系米人)…ジミー・カーターやステファン・ウオレトやジョン・ミアシェイマーたちが最近出版した本のために、米国のイスラエル支持は「ユダヤ人ロビー」や何か胡散臭い陰謀によるものだというデマが勢いを得た。

米のイスラエル支持は、「紛争ではイスラエルの立場が正しい」と大半の米国民が信じていることに基づいている。イスラエルのやることが何でも正しいという意味ではなく、イスラエルの生存権を支持しているということで、これが紛争の基本問題だ。

数十年前アラブ人は「ユダヤ人を海へ落とせ」と言っていた。現在でもハマスやヒズボラやその他過激派が同じ立場に立っている。

エジプトの世論調査で、最も人気があるアラブ指導者はナスララ(ヒズボラ)、アフマディーネジャード(イラン大統領)、メシャール(ハマス)であったが、この三人の共通点はイスラエル滅亡の誓いである。パレスチナ人のテロは、アラブの地にユダヤ国の存在を認めないという意志の表れだ。女・子どもを殺すテロを「レジスタンスだ」と言うのは馬鹿げている。それがあるから米国人はイスラエルに同情しているのだ。

アリ・アブニマハ(パレスチナ系米人)…「ユダヤ人集団が米国を支配している」という反ユダヤ主義的デマはでっち上げだが、それを作ってばら撒いているのは、イスラエル批判を嫌っている人々や組織なのだ。これらの本が書いているのは、「米国ではイスラエル政策に関してオープンな議論が欠如している」という正論だけだ。

現在、大統領候補者たち(デニス・クシニッチとロン・ポールを除いて)が、競い合ってイスラエル忠誠を表明している有様を見てごらんなさい。九月だけを例にとっても、バラク・オバマ候補がブゼジンスキー(ブゼジンスキーは穏やかにイスラエルを批判したことがある)を顧問にしていることで大攻撃を受けたが、ジュリアーニ候補の顧問が自分のブログで「パレスチナの全村を集団懲罰で焼き払え」と書いたことへの非難は一切ない。

米のイスラエル支持は米国民の総意に基づくというあなたの説は、かなり疑わしい。

そもそも米国民はパレスチナ問題の歴史や現実をほとんど知らない。いや、国際問題一般に関する知識も驚くほど希薄で、誤った認識を持たされている。サダム・フセインが九・一一同時多発テロの司令官だと思い込んでいる米国人が多い。それは政府やマスコミの誘導の結果だ。

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