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中之島・剣先公園を追われた労働者。家財道具をリアカーに乗せ、野天の簡易ベッドで眠る(一一月八日)
更新日:2007/12/30(日)

[情報] 中之島・剣先公園で強制立ち退き 変わらぬ大阪市の排除方針

はじめに排除ありき

これは事実上の強制排除だ―。

大阪市役所のお膝元、中之島・剣先公園。地下鉄延伸に伴う公園整備工事を理由として、約四〇人の野宿労働者が追い立てを受けた。大阪市ホームページによれば、「中之島公園が水都大阪の顔にふさわしい、水とみどりが調和した快適な公園となるよう再整備」を行うという。

野宿労働者を全員立ち退かせた上で、一一月一日(木)には公園東部を囲んでフェンスが設置され封鎖された。この剣先公園周辺には、これまで約三〇軒のテント・小屋掛けがあり、アルミ缶労働などで生計を立てる野宿労働者が暮らしていた。

一〇月二九日、釜ヶ崎パトロールの会がこの春以来何度めかになる労働者への聞き取りに訪れた。大阪城公園にある仮設一時避難所(シェルター)に入所した人も少なくないが、他の公園や河川敷に引っ越した人もかなりいた。いまだ行き先の決まってない人も数名いた。「ここで寝るんじゃねえかな」あっけらかんと工事エリア外の路面を指さし笑う労働者。彼らは路上に叩き出されるより他に選択肢はなかった。

聞き取りによると、「(公園事務所職員は)シェルターに入れって言うばっかりや。シェルターに入ったら生活保護を受けられるって。福祉の世話になる気はないけどな」「(巡回相談員は)自立支援センターの話しかしない」

シェルターは来年一月に閉鎖されることが決まっている。入所したとしても生活保護も含めた今後の生活への見通しが立たない状態には変わりがない。巡回相談は大阪市の事業だが、そもそも自立支援センターも含めた大阪市の事業は、野宿労働者の自立生活を否定した上に立つ、「排除の受け皿だ」とする不信感も根強い。

ホームレス特別措置法が制定された五年前(二〇〇二年八月)と何一つ変わっていない現場の対応の有り様が浮かび上がってくる。選択しようのない選択肢を押しつけて、その結果路上へのたたき出しとなるなら、それは強制排除に他ならない。

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