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更新日:2007/12/30(日)

[社会] コネ権力フル活用! ケーサツの利権漁りの実態

交通行政、民間警備会社、パチンコ業界……天下る警察の「ご都合主義」

今年7月、枚方市(大阪府)の第2清掃工場建設工事に絡んで、中司 宏市長とゼネコン・大林組の橋渡し役をしていた大阪府警捜査2課警部補の平原幸史郎が談合・収賄の容疑で逮捕された。詐欺・横領・汚職などを取り締まる立場の現役警察官が、市とゼネコンをむすぶブローカーとして動き、その見返りとして1000万円を受け取っていた訳だ。

この収賄事件は一警官の特別な事件なのか?「捜査2課の仕事を誇りに思い、一生懸命やっていた」というその仕事が、いかに利権の「甘い汁」に近いものかを認識させる事件だと言えよう。「どこかでノーを言えていたら」と後悔しているというが、警察組織そのものの利権あさりは、この程度のものではない。

1981年の商法改正で総会屋の締め出しが義務化され、また85年の風営法改正で、「暴力団の影響の排除」を口実に、パチンコ店・風俗店の営業許可を警察が一手に握り、利権を一気に拡大した。それは、企業に天下るだけにとどまらない。自らが持つ立場と権限を利用して、業界をコントロールしている。警察行政という特殊な「独占事業」においては、政府─与党の「行政改革」「民営化」路線などどこ吹く風である。

前号で、愛媛県警の組織的な「裏金作り」を告発した仙波敏郎さんを紹介した。彼のように現場で良心的に職務を果たし、「不正はとんでもない」とする警察官がごく少数いる一方で、組織としての警察は、自ら持つ権力と許認可権を振り回し、利権を漁り、業界を意のままに操り、天下り先を確保するという醜悪な現実がある。その一端を追った。(編集部)

その1、信号機利権

道路に設置されている信号機。その設置・保守メンテナンスは、警察が業者に発注するが、これにも独特の利権構造がある。

近年、複雑化する交通事情を反映し、信号の制御機もハイテク化が進んでいる。「消費電力が小さく、寿命も長い」「日光を受けても視認しやすい」等の理由で、LED(発光ダイオード)信号機の採用が進んでいるのは、お気づきの方も多いだろう。

信号機の本体価格は、単純な構造のものでも、一基二〇〇万〜八〇〇万円になる。LED式は、この約五割増しの値段。また、設置された信号機も、信号灯の交換など、定期的なメンテナンスと二四時間態勢の保守・管理が必要とされる。

関東地方では、信号機のメンテナンス作業は、警察庁・警視庁OBの天下り会社「東京交通管制施設サービス株式会社」(現社名・株式会社東管)の独占状態にある。それだけではない。警察本体と天下り先の信号機メーカー・保守メンテナンス会社で形成される「警察一家」が、業界を丸ごと牛耳るという構図にある。

この東管は一九七〇年四月設立。以後一九九八年まで、警視庁と信号機保守業務の随意契約を結んでいた。しかし、当時東管には、現場でメンテナンス作業に従事する人員が全くいなかったという。実際に保守メンテナンス作業をおこなったのは、丸投げしたメンテナンス会社。この東管と警察庁の契約額は、ピーク時(一九九〇年度)には年間二〇億円にのぼった。

九九年以降は、落札に変更となったが、以後も東管がほとんどの業務を入札しており、疑いようのない談合である。

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