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更新日:2007/11/18(日)

[政治] 福田内閣「ぬくもりの政治」はウソ 生活保護切り下げ

底が抜けたセーフティネット

生活保護費減額の動きが、マスメディアの報道もないままに急ピッチで進められている。

厚生労働省が一〇月、「生活扶助基準に関する検討会」を設置し、生活保護費の中の生活費にあたる「生活扶助」の基準額の見直しに着手した。見直しに法改正の必要はなく、国会論議もないまま決定されかねない。国は年末に策定される予算案に反映させるため、一一月中の決定を急いでいる。残された時間は少ない。

生活扶助は事実上、最低生活費の基準となっており、減額されたら様々な低所得者向け施策の適用基準も下がる。国民健康保険料の減免基準や、介護保険の保険料、障害者自立支援法による利用料の減額基準が下がると、医療や福祉を受けることのできない「医療難民」「介護難民」を生み出すことにつながる。地方税の非課税基準や最低賃金の引き上げ目標値も下がる。公立学校の授業料免除基準や、児童・生徒に学用品などを支給する就学援助の給付対象基準の低下も招く。生活保護利用者だけの問題ではないのだ。

厚生労働省は「一般の低所得世帯の消費水準が、生活保護世帯よりも低いので、生活扶助を下げる」という。だが、「反貧困ネットワーク」事務局長の湯浅誠氏は安直な引き下げに警鐘を鳴らしている。「負担が増えれば低所得者の消費実態はさらに下がります。それを根拠にまた最低生活費が切り下げられ、それがまた低所得者の消費実態を押さえ込むでしょう。こうしてとめどなく貧困化が進行します」

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