[海外] 獄中からパレスチナ民族統一と和平を訴える大統領候補
──一〇月五日 「イェディオト・アハロノト」紙
はじめに
(訳者…脇浜義明)「アッバスが正式に辞任を表明したら、私は、例え獄舎の中からでもパレスチナ自治政府大統領に立候補し、きっと勝つだろう」。これは、今年一〇月五日に「イェディオト・アハロノト」(イスラエルの新聞)とのインタビューで、獄中のマルワン・バルグーチ(ファタハ)が言った言葉である。このインタビューは後に「アル・クッズ新聞」(パレスチナの新聞)に転載された。
獄中(五年間)のバルグーチがパレスチナ自治政府大統領に立候補することを待っている人々は、パレスチナばかりでなく、イスラエルを含む広い世界にたくさんいる。
彼は二〇〇四年六月六日(四五歳の誕生日)に、四件の武装作戦に関与した罪で、終身プラス四〇年の刑を宣告された。その二年前に彼は三七件の武装作戦に関係した容疑者となっていたが、テルアビブ地方裁判所は彼が直接関与した事件だけにしぼり、殺人罪・殺人未遂罪・テロリスト組織関与罪で実刑判決を受けた。
マルワン・バルグーチへのインタビュー
──あなたは、いつ釈放されると思いますか?
バルグーチ…捕らえられた時から釈放の話がありました。ある時はエジプトに捕まっているアッザム・アッザム(訳注・スパイ容疑でエジプト当局に捕まったドルーズ教徒イスラエル人)との交換釈放が、次に米国で服役中のジョナサン・ポラード(元米海軍民間人諜報員で、イスラエルのためにスパイ活動をした罪で終身刑)との交換釈放が取り沙汰されました。
今は、この前誘拐されたイスラエル兵ギラド・シャリトとの交換釈放が言われていますが、交渉が難航しているようです。私を含めたパレスチナ政治犯とシャリトとの捕虜交換があると期待しています。
──アッバス議長は、あなたの釈放にベストを尽くしていると思いますか?
バルグーチ…ええ。彼は多くの囚人の釈放のために多大の努力を払い、会議の度にその問題を提起してきました。政治犯と私の釈放はパレスチナ人民にとって大きなプラスとなります。釈放は時間の問題でしょう。